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忽那健太[スコットランド挑戦紀 #8]◎逆境の2年目、シーズン開幕。プロ選手たちと競争の日々/9月28日
2年目のシーズンに挑む忽那健太。めっちゃやる男。(本人提供/以下同)

忽那健太[スコットランド挑戦紀 #8]◎逆境の2年目、シーズン開幕。プロ選手たちと競争の日々/9月28日

忽那健太

 皆さんこんにちは。
 現在、スコットランドの国内2部リーグに所属するヘリオッツラグビークラブで活動中の忽那 健太(くつな・けんた/プロフィール前回#7はこちら)です。

 私が所属するプレミアシップリーグは全国12のクラブチームが所属。今年9月からホーム&アウェイで22試合を戦い優勝を争います。
 今回は、2年目シーズンの開幕戦についてお届けします。

 9月第1週に行われた開幕戦はメルローズRFCと対戦しました。
 メルローズといえば、世界で初めて7人制ラグビーを考案、大会を実施した歴史を持つ伝統クラブです。

 試合は序盤から白熱しました。
 メルローズは、地元ファンの熱狂的な応援を背に展開ラグビーを見せる。それを我々が連携したディフェンスで阻止。試合終盤にヘリオッツがメルローズを突き放して開幕戦白星をつかみました。(最終スコア35-22)

メルローズラグビークラブとの試合には多くのファンが訪れた。両クラブとも歴史は130年以上(ヘリオッツ創立1890年、メルローズ創立1877年‼︎)

 個人としては12番で先発出場を果たして80分プレー。スコットランドでのシーズンも2年目を迎え、こちらのプレースタイル、言語、グランド環境にも慣れてきました。
 最高の形で2シーズン目をスタートを切りました。

 試合後のアフターマッチファンクションでは恒例のビール対決(マン・オブ・ザ・マッチ選手はビール一気飲み!)も行われます。

 試合後に敵味方関係なく交わり合う光景はイギリスラグビーの象徴とも言えます。
 普段は少しお堅いスコティッシュたちもお酒の席ではとにかく陽気。ラグビーを愛し、ビールを愛するラグビーマンたちに国境の壁はなく、スポーツは人種の垣根を越えることを実感しました。

 その後、チームはリーグ戦5試合を戦い無傷の5連勝(9月28日現在)という成績です。

 昨シーズン、スコットランドはセミプロフェッショナルリーグが経営困難となり解散。その影響で同リーグの選手たちはアマチュアリーグに移籍とています。
 私が所属するヘリオッツRFCにも多数の選手が加入してきました。

 また、チームにはラグビー協会を通じてスコットランド代表選手が中心として構成されているプロラグビーチーム『エディンバララグビークラブ』と『グラスゴーウォリアーズ』所属のプロ選手やアカデミー選手が、毎週2、3人派遣されて試合に出場しています。

 協会独自のルールです。プロリーグ所属で、十分な出場機会を得られていない選手には、2部リーグで安定した出場時間を与えるシステムが導入されています。
 その中でのレギュラー争いは熾烈を極め、毎週のようにメンバーが変わります。

試合状況をベンチで見つめる筆者

 執筆の忽那も、開幕戦はレギュラーとして出場したものの、その後の2試合はリザーブメンバーに降格。4、5試合目は登録外となり、現在は2軍戦での出場が続き厳しい状況に直面しています。

 逆境の2年目ですが、プロ選手たちとのメンバー争いは非常に充実しています。
 なぜなら『成長』を実感できているからです。

 この環境を求めて、単身で、何のツテもなく飛び込んできたのが1年半前。渡英した直後は、家、仕事、知り合い、所属先無しからのスタートでした。
 どのような時でも逆境を跳ね返し、乗り越えてきた自負があります。
 この状況もきっと自分を成長させてくれると信じてこれからも臆せず挑み続けたいと思います。

 この挑戦にはテーマがあります。
『やるか、めっちゃやるか』です。
 どのような立ち位置でも、チームの勝利と目標のためにハードワークを繰り返し、日本人の誇りを持ってこれからもプレーします!

※スコットランドでの現地情報はYouTubeチャンネル『忽那健太』でアップしています。

スコットランド代表ヘッドコーチ、グレガー・タウンゼンド氏とも再会。日本が大好きで「また行きたいよ!」

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