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「日本はいい攻撃を仕掛けてきた。ボールを持つ時間も長い。コリジョンの強度を上げて対応した。ペナルティを重ね、日本を自陣に入れてしまったけど、そんなにブレイクされたとは思わない。ディフェンスはできたけど、アタックはそこまでできなかった。特に前半の後半部分と後半の後半部分で。点差がつくと気持ちがゆるんでしまいがちだけど、今日の試合は最後まで気持ちを切らすこともなく、ポジティブ以上の結果だと思う」
日本に52-12で勝利した後のアントワンヌ・デュポンのコメントだ。
しかし、ファビアン・ガルチエ ヘッドコーチ(HC)の見方は厳しかった。
「私たちは今夜のパフォーマンスに完全には満足していない」
前半を31-0で折り返した時点で、レ・ブルーの将はすでにご立腹であった。
「早い段階で得点しディフェンスもいい。でも戦術通りではない部分がある。後半はもっと戦術通りにプレーしなければ」と現地中継局のマイクに不満を漏らしていた。
代表活動期間中、週の初めに公開されるフランス男子15人制代表チームの活動を紹介する『Destins M?l?s(デスタン・メレ)』という動画がある。直訳すると『交わり合った運命』という意味になる。デスタンは「運命」。メレは「混じりあった、交わった」という意味に、フランス語でスクラムの意味の「M?l?e(メレ)」をかけている。
今週公開されたこの動画の中で、日本戦のハーフタイムのロッカールームでの状況が見られる。
「31点、素晴らしいね。しかし私は満足していない! NZ戦の準備をするのにもう40分しかない。前半はそれができていなかった。しようと決めていたことをするんだ。40分しか残っていない。正確にプレーしろ。さらにペナルティが多い。7つも安易すぎるペナルティをしている」と、選手たちはガルチエHCからお叱りを受けている。
プレーの精度を欠き、ハンドリングエラーでボールを失い、守りに回る。
「早い時間帯でトライを重ねたが、なかなかプレーを組み立てることができなかった」と、この日、代表初先発でトライを決めたFLアレクサンドル・ルマット。
ラックでもデュポンにプレーしやすい環境を作ることができずにいた。そして、ペナルティの数だ。試合を通じて11。前半35分からハーフタイムまでの間に3つのペナルティを続けてとられたのは、ガルチエHCの印象をさらに悪くしたことだろう。
また、攻めるべきところではないところで無理にアタックを仕掛け、ラックでターンオーバーされた。日本のアタックを素早く封じることができなかったことも反省材料として挙げられている。
「今日の試合でのミスの中には、次のNZ戦ではもっと高くつくミスもある。守りに回る時間も減らさなくては」とルマットは反省する。
フランス代表チームにとってこの日本戦は、「今回の代表招集後、最初の公式戦で、私たちにとっては未知への飛翔だった」とガルチエHCは述べている。
「日本がどんどんプレーを仕掛けてくることはわかっていた。その通りだった。この試合のボールインプレーの時間は43分だったと聞いている。プレーのスピードもあった。私たちのフィジカルの限界を押し上げることができた。これは、テストマッチの勝利を1とした試合であり、とてもハードでインテンシティーの高い15日間の合宿を締めくくる絶好の準備試合だった」と続けた。
この試合でフランスは、これまでより積極的にアタックをしようとしていた。
「ルール改正もあり、攻守のシステムが少し変わって、プレーが今までよりも攻撃的になった」と言うのは、赤のヘッドキャップ。WTBルイ・ビエル=ビアレは、日本のディフェンスを翻弄し2トライを挙げた。
「私たちが目指していることに近いことができた部分もあるが、常にできていたわけではない」とガルチエHCは現時点での評価を下す。
「今夜、なかなか良くできたけど、もっと上げていかないと。NZ戦はもう一段レベルが上がるだろうから、今夜のように多くのチャンスはないだろう」とビエル=ビアレも同意見だ。
次の対戦相手のNZをガルチエHCは、「彼らは代表活動を始めて6か月、私たちとの試合は彼らにとって14試合目。フライトのあとに日本で試合をして勝利。またフライト後にイングランドで試合をして勝利。そしてアイルランドへ移動して完勝し、3連勝でとても調子が良い。彼らの(描く)ラグビーの理想に近いオールブラックスが、再び帰ってきた。革新の中にも一貫性がある。非常に完成度が高く、ムラのないチームで、インターナショナルシーズンをとても強く終えようとしている」と見ている。
「ラグビーファンなら、誰もがこんなプレーをするオールブラックスが見たい。目が行くのは、彼らが繰り出す素晴らしいプレーだけではなく、フィジカルに定評のあるイングランド、アイルランドを圧倒する彼らのフィジカルの強さ。土曜日も同じマインドセットで来るだろう。その脅威に応えるために、僕たちのレベルを上げなくてはならない」とデュポンも警戒する。
NZ戦のメンバーが気になる。日本戦前半32分に腰を傷めて負傷退場したLOチボー・フラマンは検査の結果、特に異常は見られず引き続きメンバー入りが予想されている。また、日本戦直前に体調不良で欠場となったWTBダミアン・プノーが、今週も欠場することが発表された。
プノーの代わりに急遽先発出場したテオ・アティソグベは、日本戦で膝を傷めグループを離脱した。FLフランソワ・クロスが脳震盪で今週は欠場する。火曜日(11月12日)の練習では、ポール・ブドゥアンが6番、そしてギャバン・ヴィリエールが14番のビブスを着用していた。
そして、15番を着けていたのはレオ・バレではなく、ボルドーのロマン・ビュロス(27歳)だったと伝えられている。ビュロスはまだノーキャップも、ボルドーでの活躍が評価されている。現地では「トマ・ラモスがいるから仕方がないけど、ビュロスが代表に選ばれないのは残念」という声があがっている。
ガルチエHCはこれまで負傷以外で大会中にメンバーを替えたことはない。木曜日のメンバー発表が待たれる。