![【Just TALK】「高校に戻ったみたい」。ワーナー・ディアンズ[東芝ブレイブルーパス東京]](https://www.justrugby.jp/cms/wp-content/uploads/2025/04/IMG_1460-1.jpg)
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ラグビー日本代表のワーナー・ディアンズは現在、東芝ブレイブルーパス東京の一員としてジャパンラグビーリーグワン1部に参戦中だ。
昨季王者で今季もすでにプレーオフ行きを決めており、4月25日には東京・秩父宮ラグビー場での第16節で浦安D-Rocksを61-19で撃破。今季13勝目を挙げ、ロックで先発した自身もプレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。
「クオリティの高いプレー、目指しています」
一時は故障離脱も、身長211センチ、体重117キロのサイズを攻守に活かす。
23歳。2021年に流経大柏高から大学を経ずに入部した。当時の旧トップリーグで公式戦デビューを果たす前に、代表初キャップを取得している。
この春、同級生たちの多くが大卒1年目として各クラブに加わったが…。

——いかがですか。
「花園で戦った木戸大士郎(常翔学園高→明大)が東芝に入ってきて。(今季のリーグワンでは)青木(恵斗=桐蔭学園高→帝京大→トヨタヴェルブリッツ)とも、佐藤健次(桐蔭学園高→早大→埼玉パナソニックワイルドナイツ)とも試合をした。戦っていて、高校に戻ったみたいで楽しいです。三重ホンダヒートとの試合で途中から出てきた當眞蓮は、同じ高校の主将でした。目が合ったら毎回、笑っていました!」
——ディアンズさんは高校3年生のシーズンを2020年度に迎えています。東大阪市花園ラグビー場で開かれる全国高校大会では、後にチームメイトとなる木戸選手と3回戦で激突。ディアンズさんの逆転トライで21-17と勝利しました。
「木戸は主将だったんで、最後、泣いていて。いまもそのことを(フランクに)言い合っています!」
もしブレイブルーパスで「同期会」があれば「(同年度入部と同学年の)どっちも」に参加するとのこと。
4月8日、単独取材に応じた。この日は、自身のキャリアプランについても触れた。
——そういえば短期のオフを利用し、母国のニュージーランドに一時帰国されていたようですね。
「その前には、お父さん(プロS&Cコーチのグラント氏)が(スーパーラグビー加盟の)モアナ・パシフィカで働いているので、(拠点がある)オークランドのノースショアへ。その後は、妹の誕生日のためにサプライズでウェリントンに。お母さんも、ウェリントンの近くのラグビーチームで何かの仕事をしています」
——お父様から、チームにスカウトされませんでしたか。
「そうすね。お父さんから、連絡くるっすね。『モアナ、どうだ?』って!
…(将来は)海外でプレーしたい。でも、いまのところは東芝に集中。(リーグワンで)連覇したいので。その次は(今夏の)代表のこともある。代表も今年、(ウェールズ代表などと戦うため)大きなチャレンジをする。…と、いろいろ、考えていますね」
——昨年のいま頃、SNSでディアンズさんがフランスへ移籍するという噂が出回りました。
「僕も、びっくりしました! 『え? そうなんですか?』ってなってたっす」
——フランスをはじめとした欧州リーグか、ニュージーランドなど南半球の強豪がひしめくスーパーラグビーか。興味があるとしたら…。
「いまはまだ若いので、ニュージーランドがいいかなと。家族も(近くに)いるし、サポートをしてくれる人が近くにいると、自分も楽にパフォーマンスできると思うので。
(フランスは)いまでも興味がありますけど、ヨーロッパに行くとしたら長く——2~3年くらいは——いたい。ワールドカップのこともあるし(2027年大会はオーストラリア開催)、僕はまだ若いので数年後でもまだ行ける。(欧州は)その時のほうがいいかなと」

20代前半にして自分を客観視している。「若い」と自認し、それゆえ相応の支援によってよい働きができると自己分析。かつ、欧州へ出向くにもまだ時間があるであろうと読む。
その間、進歩と研鑽を重ねることも約束する。
——子どもの頃もスーパーラグビーを見ていたと思います。
「ハリケーンズは地元のチーム。クルセイダーズではダン・カーター(元ニュージーランド代表スタンドオフ)が好きでした。ひとつのチームというより(全体的に楽しんでいた)」
——その時代のヒーローのうち数名は現在、リーグワンで戦っています。
「TJ(・ペレナラ/ハリケーンズ→リコーブラックラムズ東京)、ブロディ・レタリック(チーフス→コベルコ神戸スティーラーズ)…。皆、見ていました」
目指すは「世界一のロック」とあり、高みを見据える。しかし、あくまでいまはブレイブルーパスへフルコミットする。
「毎週、きつい。相手が何を用意するかについて準備をしないといけない。僕は怪我明けから80分で出る(ことが多い)中、向こうが高いクオリティでプレーする」というタフなリーグワンへ、全神経を集中させるのだ。
身体を万全に整えるよう、日々のストレッチ、アイスバス入浴は欠かさない。