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グローバルアリーナでまっとおね。今年も4月28日〜5月5日、『サニックスワールドラグビーユース交流大会2025』開催
昨年に続いて大会アンバサダーを務める新谷(しんや)あやかさん。(撮影/松本かおり)

グローバルアリーナでまっとおね。今年も4月28日〜5月5日、『サニックスワールドラグビーユース交流大会2025』開催

ジャスラグ編集部

 ジョージ・ワトソンズ・カレッジ バグパイプバンド(スコットランド)の奏でる素敵な音が、もうすぐ聞こえてくる。今年もこの場所に、世界各地から何百人もの若者たちが集まると思うと嬉しくなる。
 福岡県宗像市のグローバルアリーナは、桜の花がまだ残り、青空と山の緑が鮮やかだった。

 4月9日、同地で『サニックスワールドラグビーユース交流大会2025』に関する記者発表があった。
 2025年大会は4月28日(月)〜5月5日(月・祝)に開催される(4月30日、5月2日、4日は休養日)。女子セブンズは4月28日、29日に開催される。

 今年で26回目の開催となる同大会は、ユース世代(高校生)の単独チームが世界のあちこちから集まる世界で唯一の国際大会として広く知られている。高校生のワールドカップと言う人もいる。

 昨年までの25回の大会に、23の国・地域から約1万5000人の選手たちが参加。ワールドカップ選手を何人も輩出してきた。
 日本開催だった2019年大会では26名、2023年のフランス大会では35名が高校時代に宗像の地を駆けた選手たちだった。

大会の魅力が伝えられた、4月9日の記者会見。地元メディアなどが集まった。(撮影/松本かおり)


 2025年大会も、男子の部(15人制)に海外6チームと国内10チーム、女子の部(7人制)に海外4チームと国内4チームが参加する。
 選手たちは試合で互いのスタイルを競い合い、スパイクを脱げば交流を深め、それぞれのカルチャーを知り、認め合う。記者発表では大会の特別協賛、株式会社サニックスホールディングスの宗政寛代表取締役社長があらためて大会の意義を話した。

「ラグビーの普及、競技力の向上といったスポーツとしての価値の追求だけでなく、国や文化、価値観の異なる若者たちが交流し、互いに学び合うことを通じてグローバルな視野を養う場でもあります。ときに意見や考え方の違いから、すれ違いや戸惑いが生じるかもしれません。しかしその経験こそが自分とは異なる存在を受け入れ、尊重する心を育む大切な機会になると考えています。そのような姿勢を持った若者が増えることが、将来より良い社会や国際関係、そして世界平和の実現につながるのではないかと考えます」

昨年の大会を制したのは大阪桐蔭。史上初めて日本チームが頂点に立つ大会となった。(撮影/松本かおり)


 世界でも価値が認められている大会だ。例えばニュージーランドでは国内の高校全国大会の要項には、優勝チームはこのワールドユース交流大会への出場権が与えられると明記されている。
 代表チームの活動ではなく自分のチームで、仲間たちと海外へ行って、いろんな文化と触れ合える機会は一生モノだ。それを迎える日本チームにとっても忘れられない経験となる。

 大会2日目の夜にはグローバルアリーナ体育館でウェルカムパーティーが催される。参加チームの選手、スタッフの全員が参加し、それぞれが自分たちの国、チームならではの出し物を披露しあう。若者たちのエナジーがあふれる時間。
 昨年に続き、大会アンバサダーを務める新谷あやかさんは、昨年そのパーティーに参加して「(高校生たちが)うらやましくなった」と話した。

「日本の高校生たちが一生懸命、英語でスピーチをしたりしている姿を見て、いまはまだ分からなくても、将来、その時のことが世界を見るきっかけになるんじゃないかな、と思いました」
 新谷さんは自身のInstagramでも「悩み事とか一歩踏み出せない方は、騙されたと思って(大会に)来てみてほしいです。視野が広がってきっと、来てよかったと思えるとおもうけん」と広く大会の価値を伝えている。

昨年の大会より。(撮影/松本かおり)


 また、2017年大会に出場した日本代表、埼玉パナソニックワイルドナイツの長田智希も自分が世界に触れた時の思い出をメッセージとして発信している。
「高校生の頃は海外の選手と試合をする機会はすごく少ないのですが、その中で機会をもらって、自分たちの足りないところや、フィジカルの差を感じました。でも、その一方で通用するところもあって自信になりました」
 ピッチの外での国際交流も、良き思い出のひとつ。

 5月5日の決勝戦の前には参加各チームの選手たちの中の、出場機会の少ない選手たちでチームを構成して実施する試合、『ワールドフィフティーン フレンドリーマッチ』(サニックスブルー×サニックスホワイト)もおこなわれる。
 トッププレーヤーだけでなく、チームを支える選手にも光を当てるこの試合に、海外チーム関係者は涙を流して喜んだそうだ。

 昨年の25年大会から設置された『プレミアムシート』は今大会でも用意される。特設テント内で天候を気にせず、試合を観て、飲んで、食べて、ラグビー・コンシェルジュの楽しい解説も楽しめる空間は今年も喜ばれそう(前売券/大人=1万円、子ども=5000円)。

 世界への扉を開く大会を見ておくと、未来のワールドカップを観る時の深みが違ってくる。
 まずは、2025年の宗像での高校生ワールドカップを記憶に刻んでおこう。

昨年の女子(セブンズ)優勝は福岡ラグビーフットボールクラブ。(撮影/松本かおり)

【2025年大会 男子(15人制)参加校】4月28日、29日、5月1日、3日、5日開催
◆プールA
SGSフィルトンカレッジ(イングランド)★
ジエングオ ハイスクール(中華台北)
桐蔭学園(神奈川)
大阪桐蔭(大阪)

◆プールB
ハミルトンボーイズハイスクール(ニュージーランド)
東海大相模(神奈川)
御所実(奈良)
長崎北陽台(長崎)

◆プールC
バーカーカレッジ(オーストラリア)★
京都工学院(京都)
東福岡(福岡)
東海大大阪仰星(大阪)

◆プールD
ラトゥ カダヴレヴ スクール(フィジー)
ベゼ ハイスクール(韓国)
京都成章(京都)
佐賀工(佐賀)

※チーム名のうしろの★は初出場。

【2025年大会 女子(セブンズ)参加校】4月28日、29日開催
◆プールA
キングス クリスティアン カレッジ(オーストラリア)
ラフボロー カレッジ(イングランド)★
関東学院六浦(神奈川)
四日市メリノール学院(三重)★

◆プールB
ハウィック カレッジ(ニュージーランド)
ホンコン チャイナ ジュニア ドラゴンズ(ホンコン・チャイナ)
福岡ラグビーフットボールクラブ(福岡)
麗澤(千葉)

※チーム名のうしろの★は初出場。

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