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【Just TALK】「チャンピオンになるまで、ここにいる」。ジェシー・クリエル[横浜キヤノンイーグルス]
今季は開幕からの全13戦中、11試合に13番を背負って出場。各試合で80分ピッチに立ち続けるタフさ。(撮影/松本かおり)
2025.04.05
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【Just TALK】「チャンピオンになるまで、ここにいる」。ジェシー・クリエル[横浜キヤノンイーグルス]

向 風見也

 ラグビー南アフリカ代表79キャップのジェシー・クリエルが、4月1日、所属する横浜キヤノンイーグルスの都内拠点で取材に応じた。

 身長185センチ、体重95キロの31歳。強さと速さを突進とタックルに活かすアウトサイドセンターとして、2023年にはワールドカップフランス大会での2連覇達成に喜んでいる。
 
 国内リーグワン1部でも持ち味を発揮。昨季まで2シーズン連続で4強入りのイーグルスにあっては、パフォーマンスのほか誠実な人柄でも貴ばれる。

 今季は直近の第13節まで3連敗を喫し、5試合を残して12チーム中6位につく。さらに南アフリカ代表58キャップでスクラムハーフのファフ・デクラーク、日本代表7キャップでインサイドセンターの梶村祐介ら複数名が故障で抜けている。

 今季から進出枠が4から6に広がったプレーオフ行きへ、試練が課されている。

 クリエルは、前向きだと発した。

——いま、チームはどんな状況ですか。

「リーグのレベルが以前よりもかなり高くなっており、かなりタフな状況です。でも、まだ運命は自分たちの手の中にあると思っています。プレーオフには行けると思っています」

鍛え上げた肉体は強靭。攻守とも力強い。(撮影/松本かおり)


——ここまで3連敗中。決定機を逃すシーンも少なくなかった。

「プランしたことを100パーセントやりきれていない。また、集中力が途切れるところがある。この2 試合、敵陣22メートルエリアに何度も入っているのに、それを(十分な)得点につなげられていない。

 総じてスリリングで力強いプレーができていますが、なぜか『あと 1 本のパスで…』『あとちょっとで…』というところでスコアしきれていない。いまは最後のピースをはめるために、モチベーションを高めています。

 ここからはチームとして自分たちの力をもう 1 回、思い出し、練習でやっていることを(本番で)遂行する。

 我々は、強度の高い準備をすることを重んじるチームです。ただ、今朝、(沢木敬介)監督が言っていました。それ(練習で表現できる動き)を、ゲームでやらなきゃいけない、と。チャレンジマインドセットを持ってミスを恐れずに自己表現しよう、イーグルスのラグビーをやろう、という話もありました。

(その実現には)大胆で、勇敢な判断をすることですね。もっとハードワークし、かつもっと賢くなり、大事な場面をものにする。それを1人、1人することが勝利への貢献になり、結果がついてきます」

——一般論として、もともとできていたことをしづらくなっているのだとしたら、その理由が競技と無関係な問題であることもなくはありません。

「精神状態が影響を及ぼすことはあると思います。

 負けが込むと、そう(後ろ向きに)なりますよね。ただ、できる限りその感情をゼロにリセットしなければいけない。感情で何かをどうのこうのとすることはできない。解決法、打開策を見出さないといけない。

 プロであれば悲観している場合でもないですし、嘆いている暇もない。現状を受け止め、さらに向上するだけですね。改善点はピンポイントで見極めている。そこに取り組んで、よくして、今週の試合ではさらにいいパフォーマンスができると思っています」

——ちなみに、冒頭で「リーグのレベルが以前よりもかなり高くなって」いるとお話しになっていました。それはどんな時に感じますか。

「プレーヤーのスタンダード、スキルレベル、スコッドのクオリティ——まぁ、面子ですね——が、かなりよくなっている。それはどのチームも強化しているからで、リーグにとってはすごくいいことだと思います」

——クリエルさん自身についても伺います。戦術上でしょうか。最近、おもにスタンドオフやフォワードの選手が担うファーストレシーバーになることもあります。

「イーグルスが勝つためなら何でもやります。ラインアウトのスローワーだって、言われれば! プレーオフ行きにモチベーションを保っています」

 イーグルスの持ち味に、所属選手の忠誠心が挙がる。デクラークも3月24日の離脱発表時、「残念ですが、手の手術のため南アフリカに帰国しないといけなくなりました。約6週間後には帰国して、チームのサポートをします」とコメントを出している。

 現時点でもデクラークの「サポート」があると、クリエルが明かした。

——離脱したデクラークさんとは…。

「たくさん連絡を取っています。

 彼はプレーできず、非常にがっかりしています。

 おもに試合の内容について話します。彼の視点からの意見でも、学べることがある。その要点は、チームメイトにもシェアします。役立つことは何でもしたい。

 イーグルスには、他にも素晴らしい9番(スクラムハーフ)がいます。それまでと同じようなスタンダードでできる。そこはラッキーです。恵まれています」

積極的に日本語を学び、使う。(撮影/向 風見也)


 インタビューは英語で応じるが、簡単な挨拶やトレーニング中のメンバーへの声掛けは流ちょうな日本語でする。

 2019年に自身2度目となる日本挑戦の場をイーグルスに選んでから、グラウンド内外でロイヤリティーを示す。

 来季以降について聞かれれば「来季も帰ってきたいです」とし、こう締めるのだった。

「約6年前へここに来た時、チャンピオンになるまで辞めないと言っていましたから。今季もぎりぎりですが、自分はポジティブに捉えている。できると自信を持っています。ハイレベルなパフォーマンスをして、チームにインスピレーションを与えることが何よりも大事です。過去の選手が何をしてきたかも把握しています。OBたちが誇れるプレーをすることも、常に頭にあります」



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