![【Just TALK】「ボールを見て、相手を見て、ボールを見て、相手を見て…」。リッチー・モウンガ[東芝ブレイブルーパス東京]](https://www.justrugby.jp/cms/wp-content/uploads/2025/04/250330_LT-MH_012_HN.jpg)
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ジャパンラグビーリーグワン1部で昨季王者の東芝ブレイブルーパス東京が、昨年12月に始まったいまのシーズンでプレーオフ行き一番乗りを決めた。日本一を争うプレーオフには上位6チームが進める。
戦前より首位だったブレイブルーパスは、3月30日、三重ホンダヒートとの第13節を59-21で制した。
殊勲者のひとりはリッチー・モウンガだ。
ニュージーランド代表56キャップを持つ前年度のリーグMVPは、司令塔のスタンドオフとしてきれのあるラン、パスを重ねた。
特に光ったのが前半23分頃だ。
自陣中盤右で相手のキックを前傾姿勢で捕ると、迫るタックラーをかわしたうえにその視線の先に並ぶ防御ラインも突破。敵陣10メートル線付近まで快走し、前方へキックを放った。スタンドを沸かせた。
その瞬間を、自身はこう振り返る。
「相手ウイングのテビタ・リー選手がすごい勢いでこちらにチェイスしてきていたことは、確認できました。(落下する)ボールを見て、彼を見て、ボールを見て、彼を見て…と繰り返し、キャッチの瞬間にステップで(リーを)かわしました。あとは空いているところへ走っただけです」
続く37分には敵陣ゴール前左で楕円球をもらい、パスダミーを交えて壁を突き破った。チーム3本目のトライを生み、スコアを17-7とした。
対するヒートのフルバックで、オーストラリア代表21キャップのトム・バンクスにこう言わしめた。
「彼はワールドクラスのプレーヤー。少しでも隙を与えたら(点を)取られてしまう。ゲームプラン上は彼を自由にさせないつもりでしたが…」
イエローカードに伴い数的不利を強いられた後半の計20分間も、簡潔なボール保持で主導権を渡さなかった。
ちなみに会場の札幌ドームは当日、朝から雪に見舞われた。

——試合が終わりました。モウンガさん、北海道は初めてですか。
「はい。試合を含めていい経験ができました。…ただ、こんなに寒いとは思っていなかった!」
——野球場でラグビーをするのも…。
「初めてです。ドームの会場も、です。外と比べてここまで暖かいのには、びっくりしました」
——あらためて、今回のゲームについて伺います。前半はヒートに先制されるなどプレッシャーを受けていました。その状況をどう打開しましたか。
「ホンダさんがいいチームなので、たくさんのプレッシャーをかけてくるのはわかっていました。ただ、我慢して戦えば60分頃から(点差が)開いていくこともまた(実際にラスト10分で計4トライ)。うまくいかなかった頃は、自分たちのスキルセットの部分(ミス)が苦しむ原因になっていたかなと」
——確かに、得点後のエラーなどで足踏みすることはあったかもしれません。一方、イエローカードで14人になった時の攻め方は見事でした。最初にパスをもらう選手の突進を増やしたり、ファーストレシーバーになったモウンガさんがすぐにさばいて味方ランナーを突っ込ませたり。簡潔なプレーでボールを保持していました。
「時間を稼げるだけ稼ぐことを考えました。また、14人でディフェンスをすることは厳しい。正確なスキルでボールをキープすることも意識しました」
——そういえばモウンガさんは、シーズン序盤に股関節を痛めていました。いまの状態はいかがですか。
「身体の調子はいいです。きょうは5分も休ませてもらった(普段はフル出場が多いがこの日は後半35分に交替)。これも、いい助けになるかなと!」
——復調の要因は。
「もちろん練習はちゃんとやる。そんななか、リカバリーも意識している。そのバランスがよい。リカバリーで心がけている小さなことが形になってきています。マッサージを受けたり、足に加圧する器具を使ったり、高圧酸素室へ入ったり。あとは、よく寝ることです」
——今季の残りの時間はどう過ごしたいですか。
「最後は勝てれば何でもいい。いまの総当たり戦(全18節のレギュラーシーズン)は大詰めに入っていますが、ファンの方々が見ていてわくわくするラグビーができればいいですね」
スタジアムの地下にあるミックスゾーンで対応。移動用のキャリーケースの上部には小型のスピーカーを置き、スマートフォンに記録された音源を無線でつないでいた。インタビューの時はスイッチを切り、去り際にあらためて再生した。陽気な雰囲気。
一時は明るかった髪色は、当初の黒髪に戻していた。「前髪のラインをきちんとしたいのですが、ブリーチをすることでそこが傷んでしまっていた。いまはいい感じなので、このままいこうかな」とのことだ。