![【Just TALK】「正直なレビューと勝つ準備を。負けに慣れるのはだめ」。流大[東京サントリーサンゴリアス]](https://www.justrugby.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/KM3_4263_2.jpg)
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旧トップリーグで5度も日本一に輝いた東京サントリーサンゴリアスが、リーグワン発足4年目となる今シーズンは苦戦を強いられている。
3月23日には東京・秩父宮ラグビー場で、コベルコ神戸スティーラーズとの第12節の一戦を37-39で落とした。
ノーサイド直前、自陣22メートルエリア内右でのラインアウトをエラーした。ボールをスティールされ、まもなく逆側への展開を許す。トライで逆転された。
これで3連敗。4勝2分け6敗で12チーム中8位となった。今季から2つ増の6傑が進めるプレーオフ行きへ、厳しい道のりを歩んでいる。
「ひとつひとつのラインアウトの精度、パスの精度、タックルの精度…。本当に個人的なことになってしまいますけど、そういう点が響いていると思います」
スティーラーズ戦で悔やまれる点をこう整理するのは、スクラムハーフの流大だ。
身長166センチ、体重75キロの32歳で、この午後は先発して後半22分までプレーした。
日本代表キャップを36持ち、2度のワールドカップを経験。サンゴリアスの元主将でもあり、今季も前節まで4戦連続でゲーム主将を務めた。
3月16日の第11節(たけびしスタジアム京都)で三菱重工相模原ダイナボアーズに22-34と屈した際、自分たちには「泥臭さ」が足りないと述べた。
その反省を活かし、今回のサンゴリアスはルーズボールへの飛び込み、カバー防御、連続攻撃における素早い位置取りで光った。
前半25分には20-8、後半9分には30-20とリードした。
さらに後半13分頃には、スタンドオフの高本幹也による「50・22」のキックで敵陣22メートルエリア左へ侵入した。突き放すチャンスをつかんだ。

しかし、その自軍ラインアウトは獲得失敗。続く17分頃の攻めも未遂に終わった。その後は反則の繰り返しやスクラムでの劣勢が響き、31分には30-34と勝ち越された。
後半35分には流に代わって登場の、福田健太のトライなどで37-34とするも、逃げ切れなかった。
——あらためて、きょうを振り返って。
「前半からアタックしていこうというプランもあり、重工戦からの学びとして『サンゴリアスの生命線を思い出す』という1週間を過ごして…。前半はいい形。トライは獲られましたが、アタックには手応えがある内容でした。先週からの変化はすごく見られたと思います。ただ、勝つか負けるかが勝負。負けたというのが、自分たちの実力だと思います」
——攻撃面ではどんな意識を。
「僕自身はキックが得意なほうで、きょうも裏のスペースはあったんですけど、まずはボールを保持。キックの割合は少なくしました。
いいブレイクダウンができ、速いアタックができたら、凄くいい形になった。
そういうメッセージを、相手に与えたいとも考えました。やはり、嫌だと思うんです。ずっと攻撃されたら。そのうえで、キック…とすれば、もっと相手は嫌。…やりたいことはできたんですけど、負けたという現実がある。受け止めないといけないです」
——怪我から復帰したばかりのフッカー、堀越康介主将は、勝負どころにおける集中力に個人差があると指摘していました。
「今季、ゲームを左右するようなシーンで相手のほうが上回っていて、結果、負けているということが、何試合かある。そういうことだと思います」

——次節では現在4位の静岡ブルーレヴズと対戦。その後も上位陣とぶつかります。
「もう僕らにとって上位も下位もない。1試合、1試合です。ブルーレヴズのことしか考えられないです。プレーオフ、優勝がどうこうとは全く。
戦術については言えないですけど、サンゴリアスらしさは出さないといけない。明日一日オフがあり、火曜日からチーム練習が始まります。僕個人としてもパフォーマンスを上げる準備を。あとは、勝つ雰囲気に変えないといけないです。コーチ陣、選手とも正直なレビューをして、勝つ準備をする。それに尽きます。
緊張感を持つ。負けに慣れるのはだめです。
チャレンジャーの意識、勝つ意識を持つ。そういう人間がどれだけいるかで(今後が)決まる。今回(登録)メンバーじゃなかった選手や怪我人ともコミュニケーションを取りながら、チーム全体でそういう空気感を作るのも僕の役割です。ホリ(堀越)には前だけを向いてもらう。身体を張ってもらう」
ちなみに5位をキープしたスティーラーズは、流と同じスクラムハーフの位置で日和佐篤を起用していた。
日本代表51キャップの37歳は、2017年度までサンゴリアスに在籍。2015年度加入の流にとって先輩にあたる。
日和佐が「(流は)日本で一番、うまいスクラムハーフ。彼からいいテンポでいいアタックが生まれていた。(戦前は)サントリーとやるうえでは、彼に仕事をさせないのが大事だと思っていました」と述べれば、流はこう返答した。
「(日和佐は)いますぐジャパンに行ったほうがいいです。フィットネスもまだまだありますし。いまは海外のスクラムハーフも(日本に)来ていますけど、今季も日本でなら日和佐さんが一番なんじゃないかと思っています」
自身について聞かれると、「僕はもう全然」と謙遜した。