![【Just TALK】「来日してからは代表入りをゴールとしてきました」。サム・グリーン[静岡ブルーレヴズ]](https://www.justrugby.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/IMG_0903-2.jpg)
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ジャパンラグビーリーグワン1部の静岡ブルーレヴズへ2019年に加入(当時ヤマハ発動機ジュビロ)のサム・グリーンが、日本代表入りへ思いを語った。
話をしたのは3月15日。本拠地のヤマハスタジアムでの第11節に、指令塔のスタンドオフとして先発フル出場を果たしていた。
この日はレギュラーシーズン唯一無敗キープの埼玉パナソニックワイルドナイツと対戦。22-17で下し、初黒星を与えた。
自身は前半35、41分のペナルティゴール、後半5分のコンバージョンゴールを外しながらも、続く20分にトライとゴールキックを決めている。
これでチームは8勝3敗。12チーム中4位につく。ミックスゾーンに現れたグリーンはまず、ゲームの所感を述べる。
——試合後のチームの雰囲気は。
「ハードワークとエナジーが実になって最終的に勝てたことは本当に嬉しい。選手たちは本当に喜んでいました。ただ、次の試合も勝たなくては。来週のリコー戦へしっかりと準備したい(22日、静岡のIAIスタジアム日本平でリコーブラックラムズ東京と第12節をおこなう)。
強気でディフェンスし続けられたことが、きょうの試合の収穫です。途中からワイルドナイツはペナルティキックからトライではなくゴールを狙って来ました。それで、自分たちのディフェンスが機能していることに自信がつきました」
——後半20分のグリーン選手のトライは、自陣ゴール前での攻守逆転がきっかけ。味方からもらったボールを前方へ蹴り、追いかけ、グラウンディングする形ですね。
「長い時間ディフェンスをして、ターンオーバーして、得点できた。自分たちにとっていい展開だった。
(グリーンが走り出した瞬間に)相手選手のカバーが見えた。このままいったらタックルされるだろうと、オプションとして(守備の)裏側へのキックを選びました。
その後、相手のミスのおかげでトライが。嬉しかったです」
——正式にトライが認められるまで、テレビジョン・マッチ・オフィシャルによる確認が長引きました。
「(フィニッシュや起点となるターンオーバーなどについて)肉眼でも、スクリーンでも、クリーンな状態で見えた。(映像判定があったのは)正直、『何でだろう?』という感じです。ラック周りの違反はないと自信があった。『もしかしたら、誰かの手が伸びてきて…(無効の引き金になる)』という疑いはありましたが」
身長178センチ、体重85キロの30歳。オーストラリアから2016年に来日し、最初は豊田自動織機(豊田自動織機シャトルズ愛知)でプレーした。かねて鋭いランに定評があり、ブルーレヴズ入部後にはキック中心の試合運びも磨いた。

いまは就任2年目の藤井雄一郎監督のもと、陣地を問わずワイドに球を動かす。新たな戦い方を楽しむ。
「強みを活かすんです。端側に立つ強い選手にボールを持たせる。ファーストストライクでも、内側に立ついいランナーを使う。彼らに早くパスを渡し、前に出てもらう」
日本代表入りが期待された。資格取得に必要だった連続居住年数を満たせそうなタイミングは何度かあったが、オフ、ウイルス禍の一時帰国の影響で願いは叶わなかった。
もっとも今季開幕までに、諸事のルールが変わった。
統括団体のワールドラグビーは、ルーツを持たない国で代表資格を得るための条件を「5年以上の連続居住」から「5年以上の当該国協会もしくは同団体への登録」にした。
リーグワンの外国人枠もそれに倣った。
そのため今季のグリーンは、国内出身者と同格の「カテゴリA」に区分された。従来以上の出場機会が見込める。
何より、ジャパン入りに近づいた。
——グリーンさんは今季から「カテゴリA」でプレーしています。どんな目標を持っていますか。
「このチームで10番(スタンドオフ)でプレーできるのは嬉しい。わくわくしています。チームに信じる力がついてきている。私はチームをコントロールし、正しいエリアへ行き、勝てる方向へ導くのが仕事です」
——代表入りへの思いは。
「いまはチームをよくすることを最優先に掲げます。プレーオフに行くため、毎週、最大限のパフォーマンスをしたいです。
ただ、日本に来てからは、それ(代表入り)がゴールだと考えてきました。(代表チームの選考については)コントロールできませんが、機会が訪れたら嬉しいです」
——現日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズと面識はありますか。
「1度、会いました。(今年に入ってからかと聞かれ)もっと前のことです。プライベートなことなので詳しくは言えませんが、どんなプレーをしてほしいかを伝えられました。それは、意識しています。アタックで脅威になること、ショートキックのオプション、状況判断について、ポジティブにプレーすること…」
前年度8位のブルーレヴズのプレーオフ進出(6位以上)を成し遂げ、その流れで桜のジャージィを着たい。