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【Just TALK】「春が大事」。伊藤龍之介[明大2年]
170センチ、77キロ。國學院栃木高校出身の2年生。商学部に学ぶ。兄・耕太郎はリコーブラックラムズ東京所属。(撮影/松本かおり)

【Just TALK】「春が大事」。伊藤龍之介[明大2年]

向 風見也

 2024-25シーズンの明大は全国4強に終わった。

 2025年1月2日の全国大学選手権準決勝(東京・国立競技場)で、のちに4連覇を果たす帝京大に26-34で敗れた。

 前年度の決勝でも屈した相手に前半こそ12-14と競ったものの、後半4、8、17分と連続でトライを許し、32分のペナルティゴールで19-34と点差を広げられた。

「すごく悔しい気持ちです。最後に、もうワントライ獲っても追いつけない点差になったことも」

 試合直後にそう語ったのは伊藤龍之介。國學院栃木高出身の2年生スタンドオフだ。昨年は20歳以下(U20)日本代表、若手育成プログラムのジャパンタレントスコッドのリストに名を連ねた逸材である。

 全国優勝13回の名門にあって、この日も鋭いラン、パスで気を吐いた司令塔は何を感じたか。今度の敗戦への所感、来シーズンへの思いを明かす。

——試合のどのあたりに反省が残りますか。

「やはり前半、後半の入りです(序盤も失点を重ねていた)。固めなくちゃいけない(確実にプレーすべき)ところで浮き足立ち、ボールが手に着かず、受けてしまった印象がありました。もっと入りの部分でガツガツと帝京大にプレッシャーをかけられれば、違った展開になったと思います」

——前半は、敵陣の深くまで攻め込みながらスコアしきれないシーンがありました。

「ハーフタイムにはそこが反省点にあがりました。もう2つ、3つ(前のフェーズで)早めにバックスに展開していたら、もっといいシーンが生まれたと思っています。フォワードを当てるところ、バックスで攻めるところの塩梅は見直していきたいです」

2024-25シーズンは関東大学対抗戦の全7試合と全国大学選手権の全3試合、計10試合に出場。U20日本代表の試合でもすべてピッチに立った。(撮影/松本かおり)


——ハーフタイム明けに流れが傾きました。

「(帝京大の)やっていること自体はあまり変わっていなくて。ただ、自分たちが蹴ったボールに対してプレッシャーをかけきれず、空いているスペースにボールを運ばれたという形でトライを獲られました(特に後半4分)。蹴った後、蹴られた後のセットは速くしないといけなかった。そこは、ずっと僕たちの課題でした。

こちらがアタックで前に出られない一方、向こうは強いモメンタムで前に出てきた。帝京大のひとりひとりのキャリーの強さ、ブレイクダウンの精度は見習うべきところです。そこがキーになると話したうえでの…(結果)だったので、大きく見直さなくてはいけない」

——来季以降の取り組みについて、考えはありますか。

「春シーズンが、すごく大事になってくる。新しい選手も入ってくるなか、スペシャルなプレーよりも、細かいことをいかに徹底してできるのかが大切になるなぁと、(秋以降の)シーズンを通して感じました。自分たちが大事にすることについて春の段階で固めることが、秋や冬に繋がっていくと思っています。細かいところを徹底して、自分たちの核になる部分を春のうちに積み上げたいです」

——今季は秋以降に大きく伸びた印象があります。

「皆、終盤にかけてすごくブラッシュアップできて、いい流れがありました。それをもう少し早めにできれば、(最後に)また違うところを修正し直せて、より成長できた。(来年度は)夏前くらいから成長できるチームになっていきたいと思っています」

——来季の「夏前くらい」に、今季の終盤あたりと同じように進歩する。そのためには。

「全員が、何にこだわっているかについて理解しながらラグビーをするのが大事です。ひとりひとりが違う方向を見ていたら、やりたいラグビーはできない。ミーティングの数(を増やすこと)や、選手自身がもっとラグビーについて考えることが必要だと思います」

——2024年度は、ヘッドコーチが交代したばかりでもありました。

「自分自身もU20(7月のスコットランドでのU20トロフィーおよびその事前キャンプなど)に行っていて、チーム(明大)に関わるのが遅くなった部分もあります。これからまた(現ヘッドコーチの高野)彬夫さんとコミットし、いいラグビーを作っていきたいです」

 身長170センチ、体重77キロのプレーメーカーはまもなく3年生。早くも上級生としての自覚をにじませる。


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