logo
【HSBC SVNS】史上最高位タイの5位に。サクラセブンズ、パースで躍動
アメリカ戦で決勝トライを挙げた谷山三菜子(右/背番号19)に仲間が駆け寄る。©︎JRFU
2025.01.27
CHECK IT OUT

【HSBC SVNS】史上最高位タイの5位に。サクラセブンズ、パースで躍動

ジャスラグ編集部

Keyword

#HSBC SVNS

 2023年5月におこなわれた2023年シリーズの最終戦、フランス・トゥールーズ大会と同じ、史上最高位の5位となった。

 1月24日から3日間開催されていたHSBCワールドラグビー・セブンズシリーズ2025(以下、HSBC SVNS)のオーストラリア・パース大会で、女子セブンズ日本代表(以下、サクラセブンズ)が好成績を残した。

 パース大会でのサクラセブンズは、初日にアイルランドを14-7と下し、続くブラジル戦で19-12。早々に2勝を挙げた。
 2024年11月30日、12月1日に開催された今シーズンの初戦、ドバイ大会では7位、第2戦のケープタウン大会では6位だった。大会での経験を重ねるごとにパフォーマンスも高まっている。

 今大会2日目、プールステージ第3戦のニュージーランドとの一戦には5-53、ノックアウトステージの初戦、準々決勝のオーストラリア戦では0-35と完敗も、そこで気持ちが切れなかった。

 2024年7月のパリ五輪でも初日の2戦に大敗したものの、2日目以降に立ち直るメンタルの強さを見せた。
 2日間、3日間と試合が続くセブンズでは切り替えが重要。その能力が高まってきている。

 大会3日目に戦った5位決定戦の相手はアメリカだった。
 同チームはパリ五輪で銅メダルを獲得し、「HSBC SVNS」の今シーズンも好調。ケープタウン大会でカップ準優勝の成績を残し、前回大会終了時点で総合4位につけていた。

 アメリカとの一戦でサクラセブンズは、キックオフ直後にペナルティからすぐに展開され、トライを許した。さらに1トライを追加される。0-10と差を広げられる。
 しかし前半残り2分を切ったところで、ラックからボールを持ち出した大谷芽生がトライラインまで走り切って5-10と差を詰めた。

アメリカ戦でチーム最初のトライを挙げた大谷芽生。©︎JRFU


 ハーフタイム直前に5点を追加されて5-15とされるも、勝負を諦めなかった。
 後半開始1分過ぎ、ラインアウトで相手が揃う前に球を投げ入れる。それを受けた岡元涼葉が走る。そのランニングコースが見事だった。
 ディフェンダーを翻弄して50メートル以上を走った。スコアを10-15とした。

 その岡本は2分50秒過ぎ、左サイドでパスを受けると、そのシーンでも巧みなフットワークでトライラインを越えた。
 スコアは15-15となった。

 4分に勝ち越しトライ、コンバージョンキックで15-22とされるも、残り2分を切ってからはサクラセブンズの方が運動量で上回った。
 5分45秒前後に吉野舞祐(今大会主将)がラックから出たボールを受けてトライ。コンバージョンキックも決まって22-22とする。

 そしてとどめを刺したのは、後半の7分を過ぎてからだった。
 アメリカの反則から速攻を仕掛ける。相手の反応は鈍く、右のスペースをサクラのジャージーが駆け上がった。
 最後は谷山三菜子がトライラインを越えた。コンバージョンキックも決まり29-22。逆転勝ちで5位のスポットを手にした。

 大会が始まる前のジャージープレゼンテーションの際、今大会で主将を務めた吉野は、「楽に勝てる試合はひとつもない、全員が『トリプルアクション』する気持ちで1戦1戦戦おう」と仲間に呼びかけたそうだ(JRFUホームページより)。

 動き勝つスタイルを掲げ、大会5試合目でその思い通りの勝ち方ができた。
 2月21日〜23日にカナダ・バンクーバーで開催されるHSBC SVNSの次大会に自信を持って臨む。


ALL ARTICLES
記事一覧はこちら