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「藤島大の楕円球にみる夢』の2025年初回は1月6日(月)。「話すプロ」に引き込まれよう。
まるでカフェか居酒屋でおしゃべりするように話した2人。右が谷口廣明アナウンサー。(撮影/松本かおり)
2025.01.06
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「藤島大の楕円球にみる夢』の2025年初回は1月6日(月)。「話すプロ」に引き込まれよう。

ジャスラグ編集部

 なにを話しても、その時の情景が浮かぶような語り口。いい時間を過ごせる。

 スポーツライターの藤島大さんがパーソナリティを務めるラグビー情報番組「藤島大の楕円球にみる夢」が、1月6日(月)、夜6時からラジオNIKKEI第1で放送される。

 スポーツアナウンサーの谷口廣明さんが今回のゲスト。藤島さんとはJ SPORTSの放送席にたびたび一緒に座り、実況アナウンサーとして各試合の中継を担当する。

 ラグビーファンには試合の状況と興奮を伝える存在として知られる谷口アナウンサー。その語り口がソフトな理由は、現職に就く以前の人生に原点がある。
 大学卒業後は一般企業に入社し、鉄鋼部門の営業職で大阪の街を歩き回った。

 御堂筋線に揺られている最中はいつも、売り込み文句とクライアントからのクレーム対応について考えていた。
 その頃の経験が、視聴者やインタビュー対象者の懐への入り込み方の基礎を作った。

 谷口さんは1972 年 6 月 6 日生まれ。大阪府出身の52歳だ。大阪府立羽曳野高校から追手門学院大学へ進学した。
 卒業後、前述のように一般企業に就職。数年後、人生の分岐点が訪れた。夕刊紙の広告に見つけた「アナウンサーになりませんか」のキャッチコピーが目に留まった。アナウンサー養成所に通ってみることにした。

 強い意志があったわけではない。そこには人生を変えたいチャレンジャーが大勢いて刺激を受けた。
 2、3年間、30歳になるまでやってみようと思っていたら、次のステージに上がるチャンスを得た。会社に退社の意思を伝えると「正気か」と返ってくるも、その決断が人生を変えた。

 プロダクションに所属し、演歌などの歌謡番組のMCを務める時期もあった。その経験も、のちに、話術に深みを持たせる要素となっている。

 その後、スポーツアナウンサーになるまでの道は順調だったわけではない。やがて独立するも、フリーランスのアナウンサーが入り込む場は限られていたからだ。
 スタジアムのスタンドで自身の実況を録音し、地方の放送局に送っても良い返事は来ない。「悔しいな。負けないぞ」と耐える日々だった。

 流れが変わったのは、Jスポーツが誕生してからだ。花園ラグビー場でおこなわれたオーディションに応募。縁がつながり、スタートラインに立てた。

 2005年に活動拠点を東京に移す。2011年10月に独立してフリーのアナウンサーとして活躍し、スポーツアナウンサー事務所「Sports Zone」を立ち上げ、代表を務めている。
 主な実況種目は、ラグビー、野球、サッカー、サイクルロードレース、ウインタースポーツなど。リーグワン開催期間中はJ SPORTSで毎週月曜夜 10 時放送「ラグビー わんだほー!」にも出演中だ。

 実況の際の気配りにこだわりがある。自身のポジションを「スポーツを愛する人の近いところにいられる」と表現し、それゆえ、「自分の感情を押し付けない。感情の押し売りはしない」。
「戦っている人の熱を伝えたいと思っています」

 資料、データを用意はしても、実況中にそれを紹介するタイミングに注意を払う。
 例えば好タックルの瞬間。伝えるべきはそのプレーの素晴らしさであり、試合の中でのその重み。用意しているものは、違うタイミングでいい。

「解説者の方のことも深く知っておきます。どう話せば、その方の魅力をいちばん引き出せるのか。そこが大事ですから」と言うと藤島さんは、あらためてスペシャリストに感謝の言葉を伝えた。

 今回の収録中、語りのプロは、カフェや居酒屋で喋るように自分のこと、仕事のこと、ラグビーのことを表現した。聴く人は必ず引き込まれる。
 いつもあっという間に時間が過ぎると思っている人たちにとっては、さらに短く感じるかもしれない。

 ただ、心地よさが残る。ラグビー中継を見るときに、谷口アナウンサーが歩いてきたいろんなシーンが頭に浮かぶかもしれない。

▽ラジオ番組について
 ラジオNIKKEI第1で1月6日夜6時から全国へ放送。radiko(ラジコ)のサービスを利用して、PCやスマートフォンなどで全国無料にて放送を聴ける。音楽が聴けるのは、オンエアのみの企画。
 放送後も、ラジコのタイムフリー機能やポッドキャストで番組が聴取できる。U-NEXTでも配信予定。1月13日の同時刻には再放送がある。


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