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続々と地元のファンが集まってきた。
11月12日、日本代表は地元クラブ『SOC RUGBY』(Stade Olympique Chambérien Rugby)の本拠地である『Stade Mager』でトレーニング。午前はジムで鍛え、夕方はグラウンドに出た。
薄曇りながら、時々青空も見えたこの日。昼間の寒さはさほどでもなかったが、夕方以降は冷え込んだ。
人口5万5000人ほどのこの街はスキー場も近い。
この日はチーム内での実戦的練習後、トンガ代表ともアタック&ディフェンスを実施し、激しく体をぶつけあった。
トンガは11月16日、日本×ウルグアイ後に、同じスタジアムでアメリカとテストマッチを戦う。
トンガとのバチバチのやり合いに、それを見つめていた人たちからはどよめきの声も出ていた。
ハードな攻防に、プレーが途切れるたびに何人かが倒れたりするも、大事には至らず一安心。細かいパスのつなぎや仕掛け、連係は日本の方が上回っていた。
練習後、クラブハウスに戻る選手たち。フランス戦ではベンチスタートで、後半27分からピッチに立った梶村祐介と話す。
29歳になった横浜キヤノンイーグルスのキャプテンは、先発での起用はなかなか巡ってこないものの、パシフィックネーションズカップ決勝のフィジー戦でも後半に出場するなど、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチから一定の評価を受けている。
フランス戦について「スタートから相手の勢いのままゲームが進んで、自分たちのペースに持ちこめたのがラスト20分ぐらいでした。出鼻を挫かれた」と振り返る梶村は、ハーフタイムまでに0-31と大きく引き離される展開の中で、自分がピッチに立ったときのことを頭の中に巡らせながら戦況を見つめていた。
「ボールを持つ時間はジャパンも長かった。ランニングメーターも、自分たちの方が勝っていました。ただボールを持ちすぎて、失った時のダメージが大きかったので、どのタイミングで(キックなどを使い)ボールを手放すかということを、後半から入る忍(SH藤原)と話していました」
年齢と経験を積み重ねて代表活動が長いのに、日本代表のキャップ数は先のフランス戦で5。そのうち先発は2022年のウルグアイ戦だけも、ここにきて出番を増やしているベテランは、「プレータイムは長くありませんが、試合に出られないことも多かったので、出場できている喜びは感じています」と話す。
ピッチに入って、なんとなくプレーしない。競っているときもあれば、勝敗の行方が決まっている状況もあるけれど、気持ちをぶらすことなく集中するのがスタイルだ。
「ボールを持つことなのか、ディフェンスなのか分からないですが、何かしてやろうと、仕事を探しています」の心意気が伝わるプレーを心掛ける。
この日の練習会場となった『Stade Mager』は、街の中心部から3キロほどの距離。土曜日にダブルヘッダーでテストマッチがおこなわれるサヴォワスタジアムは、街から練習会場に向かう途中にあった。
スタジアムの近くを中心に街の中には、今週末の試合を告知するポスターが貼ってあったり、街灯から小さな懸垂幕が飾ってあったりする。
練習会場を提供している『SOC RUGBY』のホームページでも、日本ラグビーの紹介や「今回のテストマッチを応援に行こう」と呼びかける内容がある。小さな街だが、ラグビー熱も感じられることが嬉しい。
休日だったこともあり、前日は人影もまばらだった街にも多くの人たちの姿が見られた。
特にマルシェは賑やかで、地元のいろんな食材が並んでいい感じ。ランチはクスクスなど買って食べた。また、薄着で旅に出たため毎日震えていたが、『H&M』で防寒服も購入できて嬉しい。
なんだか、シャンベリーが好きになってきたぞ。