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【WXV2】今度は6点差負け。女子日本代表、スコットランドに迫るも勝負所の精度欠く
よくタックルしたサクラフィフティーン。写真はCTB古田真菜。(©︎JRFU)
2024.10.06
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【WXV2】今度は6点差負け。女子日本代表、スコットランドに迫るも勝負所の精度欠く

ジャスラグ編集部

 競るけれど勝てない。その展開は、この大会で始まったことではない。
 10月5日に南アフリカでおこなわれた『WXV2』(女子世界大会)の日本代表×スコットランドで、日本は13-19と僅差で敗れた。

 サクラフィフティーンは、この試合も含む直近の7テストマッチで、イタリア代表に8-24と敗れた以外は最大で9点差。
 1勝5敗1引き分けで、前戦の南アフリカ戦は24-31だった。

 日本はこの試合、前半に風下に立ったとはいえ、常にリードを許す展開となった。
 試合後、選手たちは「前半は我慢して後半勝負」とチームでプランを立てていたと話したが、得点(リードして)で圧力をかけていかないと、サイズとパワーで上回る相手に勝つのは難しくなる。

 この試合、日本はキックオフから2分が過ぎた頃、先制トライを許した。ピッチ中央でのラックで、逆サイドから走り込んできたWTBにディフェンダー間を破られ、そのまま走り切られた。

 その後も、失点こそなかったものの自陣で戦うことが多かった。
 18分過ぎにFB西村蒼空の50/22キックで敵陣に攻め込んだが、直後のラインアウト→モールでボールに絡まれ、好機を逃した。

 サクラフィフティーンが5点を返したのは29分だった。防御で粘ってターンオーバー。スクラムを得た後だった。
 相手の反則で得たFKから速攻。SO大塚朱紗が敵陣深く蹴り込んだボールを相手14番がライン際で内側にタップして残した。

 そのボールを確保したのは、忠実にキックチェイスしていたWTB今釘小町。そこに仲間が殺到し、トライラインに迫った。
 最後はFL齊藤聖奈がトライを奪った。

 ただ、5-7だったハーフタイム直前、スコットランドに攻められた。
 ラインアウトからフェーズを重ねた濃紺のジャージー。赤白は必死にダブルタックルで止めるも、最終的に左サイドで1対1の状況を作られる。オフロードパスを連ねられ、一気に攻略された(前半5-12)。

 最初の40分、ボールを手にする機会は多かったものの、なかなか敵陣に入れなかった日本。パスを重ねても、自陣から中盤でしか戦えない。その状況は、ポゼッション60パーセントながら、テリトリーで40パーセントというスタッツにも表れた。

 SH津久井萌は、「スコットランドはスペーシングがしっかりしていて、穴がなかった。(防御の)ウラを狙っていたが、そこにもなかなかチャンスはなかった」と振り返った。
 フェーズを重ねて好機を待ったが、大きなチャンスは少なかった。

接点の強さも見せたWTB松田凜日。(©︎JRFU)

 風上に立った後半は、スコットランドに自陣深くまで攻め込まれる時間は少なくなった。
 12分にはCTB古田真菜がパスダミーからラインブレイク。敵陣ゴールライン近くまで入り込み、チャンスをつかんだ。
 しかしラインアウトで確保できず、得意のモールに持ち込めなかった。

 18分に日本がPGを決め、8-12と迫ったサクラフィフティーン。しかし23分にトライ、ゴールを許して8-19とリードを広げられた。
 この時もラインアウトから攻められ、9フェーズを重ねられた。ダブルタックルで対応できている間はいいが、最後は1対1のシチュエーションを作られてインゴールに入られた。

 66分過ぎ、敵陣ゴールラインに迫り、ショートボールを素早く投げ入れたラインアウトからモールを組み、FL長田いろは主将がトライを奪い、13-19と追いかけたが、残り3分を切って得たゴール前10メートルのラインアウトでは、モールを押し切れなかった。
 その後も、試合終了時までファイトし続けたけれど押し切られた。

 クロスゲームを勝ち切るには、プレーの精度に欠けていた。
 細分化された各スタッツに大きな差はない。テリトリーで劣っても、ポゼッションで上回っているから得点差も大きくない。
 ただ、ボールを多く持っているからチャンスもあるのに、パスの乱れなどで崩し切れない。

 ラストチャンスのラインアウトもそうだ。
 しっかり組めれば押せる自信は持っている。しかし、スローイングがぶれるからクリーンキャッチできず、ボールセキュリティーが緩くなった。結果、モール内でボールを奪い返された。

 試合後レスリー・マッケンジー ヘッドコーチは、「成長中のチーム。学ぶことしかない段階」と前置きした上で、結果については悔やんだ。
 ディフェンスのセットアップなどを評価するも、自分たちのミスから好機を逃したことを認めた。

 長田主将も、「ディフェンスの面では前に上がれたので(今後も)継続していきたい」としながらも、「ミスから(点を)取られたところは修正したいし、トライを取り切らないといけない」と反省した。

 次戦は10月11日のウェールズ戦。先手を取り、好機でのプレー精度を高めたい。
 自分たちの形に持ち込めば戦える力はついている。圧力の中での遂行力こそ、テストマッチでの勝敗を左右する。

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