logo
【パシフィックネーションズカップ】FBに山沢。アメリカ戦先発メンバーは前戦と14人変わらず。超速+「よりフィジカル面の強さを出して戦う」
今季テストマッチで初めて先発出場となるFB山沢拓也。(撮影/松本かおり)
2024.09.05
CHECK IT OUT

【パシフィックネーションズカップ】FBに山沢。アメリカ戦先発メンバーは前戦と14人変わらず。超速+「よりフィジカル面の強さを出して戦う」

ジャスラグ編集部

 熊谷の今週土曜日の最高気温は、天気予報によると35度。夜も蒸し暑いかもしれない。
 9月7日、パシフィックネーションズカップ2024の第3週、日本×アメリカ(プールB)が熊谷ラグビー場でおこなわれる。19時5分のキックオフ。日本にとっては、今季同大会の2戦目となる。
 8月25日、敵地で戦ったカナダ戦には55-28と完勝した日本は、この試合で勝てばプールBの1位となる。

 カナダ戦から先発に変更があったのはFBだけ。今季テストマッチ4戦にすべて先発していた矢崎由高が日本代表を離れ、早大での活動に戻ったこともあり、山沢拓也が15番を背負う。
 ベンチスタート8人も7人がカナダ戦と同じ。この試合では、コンディションがなかなか整わず戦列に加われなかったファカタヴァ アマトの準備ができ、19番のジャージーを着ることになった。

 エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、2試合続けてSOに李承信を起用した理由について、「前体制時、SOは松田(力也)ひとりだったと思う。2027年に向けては選手層を厚くしていきたい。そのために、立川(理道主将)も呼んでいるし、李を起用している」とした。

「李に関しては、良い時とそうでない時があるが、そういう調子の波は、プレーし続けないと乗り越えられないし、学べません」
 SHの藤原忍も2戦続けての先発起用。こちらに関しても育成の視点があり、オーガナイズする力を伸ばしてほしいようだ。

 ベンチに入ったファカタヴァ アマトは、LOと6番のカバー選手として考えている。ボールキャリーとハードタックルを期待する。

 アメリカについてはパワフルでキックを多用すると見ており、それに対し、「カナダ戦ではボールを動かすことはできたが、フィジカル面の強さが足りなかった。今回の試合ではもっとそこに力を入れたい。ディフェンスでは相手を前に出させず、アタックではボールを持って自分たちが前へ出るシーンを増やしたい」と勝利へのイメージを描いている。

 日本のカナダ戦での平均ラックスピードは2秒42。これは今大会に参加する6か国の中で最速。超速ラグビーの具現化は、その数字にも表れている。
 アメリカのカナダ戦のラックスピードは3秒67だった。土曜の試合でも日本は、相手をスピードで圧倒したい。ブレイクダウンが勝負となる。

 カナダ戦は勝利を手にしたものの、相手にペースを握られる時間帯があったり、80分を通した一貫性というものが足りなかった。指揮官はチーム全体の成長の進捗について、「毎週良くなっているが一貫性が課題。波がないようにしていきたい。疲れた時にプレッシャーをかけ直せるかが大事」と話し、ディフェンスの整備も進めたと付け加えた。

 立川主将は、80分間ゲームをコントロールし続けるのは難しいという事実を前提に、「あまり良い時間でない時にどうコントロールするかが大事」と話した。
「うまくいかないときの状況にもいろんなケースがあると思います。疲れ、天候、ボールがすべるとか、そういう状況になったときにどうするのか、練習の時からリーダー陣で話し合っている」と、多岐に渡る準備をしてきたことを伝えた。

 日本とアメリカのテストマッチを過去10戦さかのぼると、7勝3敗と日本が大きく勝ち越しているものの、通算成績では24試合戦って、日本が10勝、アメリカが13勝、そして引き分けが1試合ある。
 日本がアメリカに最後に敗れたのは2015年のパシフィックネーションズカップで、その時は敵地で戦い、18-23のスコアだった。

 当時の指揮官はジョーンズHCで、立川主将もその試合にCTBで出場していた。あれから9年が経ち両国の立場は大きく変わったものの、テストマッチは何があるか分からない。
 ホームで戦う日本としては、翌週の準決勝を突破して大会を制するためにも、そして若いチームの自信をさらに深め、成長の速度を高めるためにも、納得できる内容で必ず勝利をつかみたい。

RWC2023のアルゼンチン戦以来のテストマッチとなるファカタヴァ アマト。(撮影/松本かおり)

【パシフィックネーションズカップ2024/日本代表 アメリカ戦試合登録メンバー】
①三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/東海大/29歳/180cm、115kg/11)
②◎坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/帝京大/31歳/180cm、104kg/45)
③為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/明大/22歳/180cm、108kg/4)
④サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ/NZ・ヘイスティングスボーイズ高校/29歳/202cm、120kg/6)
⑤ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/流経大柏/22歳/201cm、117kg/15)
⑥ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ/IPU環太平洋大/24歳/192cm、107kg/3)
⑦下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/早大/25歳/188cm、105kg/7)
⑧ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/27歳/187cm、112kg/9)
⑨藤原 忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/25歳/171cm、76kg/3)
⑩李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/大阪朝高/23歳/176cm、86kg/15)
⑪マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ/スコッツカレッジ/28歳/182cm、91kg/1)
⑫ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ/帝京大/28歳/188cm、93kg/1)
⑬ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/豪・ボンド大/27歳/187cm、102kg/21)
⑭ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/摂南大/30歳/177cm、95kg/12)
⑮山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/筑波大/29歳/176cm、84kg/9)

⑯原田 衛(東芝ブレイブルーパス東京/慶大/25歳/175cm、101kg/4)
⑰茂原隆由(静岡ブルーレヴズ/中大/24歳/187cm、116kg/4)
⑱竹内柊平(浦安D-Rocks/九州共立大/26歳/183cm、115kg/7)
⑲ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京/大東大/29歳/195cm、118kg/7)
⑳アイザイア・マプスア(トヨタヴェルブリッツ/慶大/23歳/191cm、112kg/1)
㉑小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ/大東大/29歳/171cm、74kg/3)
㉒☆立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/34歳/180cm、94kg/57)
㉓長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/早大/24歳/179cm、90kg/11)

※カッコ内は所属、出身校、年齢、身長・体重、キャップ数の順
※☆はPNC日本代表キャプテン。◎はゲームキャプテン

ALL ARTICLES
記事一覧はこちら