logo
新体制テストマッチ初勝利へ、藤原、李のハーフ団。日本代表、カナダ戦メンバー発表
ゲームコントロールと超速の発信源を任されるSH藤原忍(左)とSO李承信。(撮影/松本かおり)
2024.08.24
CHECK IT OUT

新体制テストマッチ初勝利へ、藤原、李のハーフ団。日本代表、カナダ戦メンバー発表

ジャスラグ編集部


 シンプルに、両国が対峙する構図を言葉にした。
「フィジカリティー対超速です」
 8月25日(日)の14時(日本時間26日、午前6時)、バンクーバーでキックオフとなるカナダ×日本(パシフィックネ―ションズカップ2024)の試合登録メンバーが発表された。

 日本のゲームキャプテンを務めるのはHOで先発する坂手淳史。主将の立川理道はベンチスタートとなり、背番号22のジャージーを着る。
 同主将は、起用法によって準備は変わらないとし、23名に入ったことへの責任を口にした。

「チーム内には厳しい競争があります」と話し、メンバー外となった選手たちについて、「貢献が大きい」と労いの言葉を口にした。
 そして、「(自分も含め)試合に出るメンバーは選ばれた責任を果たさなければならない」と話した。

 超速ラグビーを体現するチームをコントロールするのは、藤原忍、李承信のハーフ団だ。立川主将は両者について、「 2人は本当にスピードもあり、テンポを作り出すのが上手なので、(相手にとって)超速ラグビーはすごく脅威になる」と期待を口にした。

「ゲームコントロールするポジションでもあるので、いつペースを上げるとか、コントロールする部分は、経験を積んで伸びていくと思っています。コンビネーションもいいし、2人で一緒にゲームを見ている姿もよく見かける。日々成長しているように思うので、周囲が頼りすぎず、サポートしていけたなら、もっと進化するスピードがはやくなると思っています」

 冒頭のように、カナダがパワー勝負を挑んでくると想定するジョーンズHCは、この試合の鍵を握るのは「スクラムとモール」と考えてFWのメンバーを組んだようだ。
 三浦昌悟、坂手、為房慶次朗のフロントローが引き寄せた流れを、後半の茂原隆由、原田衛、竹内柊平の3人が受け継いだ上で、「さらにエネルギーを注入してほしい」とした。

 先発するBKでは、2人が初キャップを得ることになりそうだ。
 WTBのマロ・ツイタマは8月に入って代表資格をクリア。オフ・ザ・ボールの動きを評価されている。CTBのニコラス・マクカランは長く合宿に参加し、ハードワークを重ねてきた点に信頼があるようだ。

 ジョーンズHCは4テストマッチ連続で15番を与えた矢崎由高を「国内でいちばんうまいFBと思っている」と評価した。
 しかし、このカナダ戦を終えた後は代表活動を離れ、早大に戻ることを明言した。

 チームは新体制発足後初めてのアウェー戦に、いつもと勝手が違ったようだ。
 現地到着後の数日間は各選手たちがリカバリーにうまく取り組めぬ環境があり、そこを改善しなければならなかったそうだ。
「でも、そういうことが今後の学びになる」と話したジョーンズHCは、その後の日々を「これ以上できない、というくらい素晴らしい準備ができた」と言った。

 ワールドカップまでの4年のうち3年間に関しては、「日本ラグビーの基盤を作っていく時間に充てる」と言った。
「成長と結果の両方を求めていく」とは言うものの、勝負よりトライ&エラーの要素が大きい方針をぶらさず貫くようだ。

 試合会場となる『BC Place Stadium』は最大5万4500人の収容人員を誇る開閉式ドーム型スタジアム。「人工芝なのでスピードも上がる。超速ラグビーを体現するチャンスがたくさん生まれるでしょう」と話す指揮官は、「速さだけでなく、フィジカル面でも負けることなく、ブレイクダウンで相手を凌駕し、クイックボールを出したい」と続けた。

 カナダ側は、アメリカのメジャーリーグラグビーでプレーする選手やルーキーも起用する。
「現時点のベスト」と自信を持つ日本代表メンバーはその相手に、新体制初のテストマッチ勝利を手にするだけでなく、ファンを惹きつけるスタイルを披露する。

イタリア戦で20キャップに到達したCTBディラン・ライリー。(撮影/松本かおり)

【パシフィックネーションズカップ2024/日本代表 カナダ戦試合登録メンバー】
①三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/東海大/29歳/180cm、115kg/10)
②◎坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/帝京大/31歳/180cm、104kg/44)
③為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/明大/22歳/180cm、108kg/3)
④サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ/NZ・ヘイスティングスボーイズ高校/29歳/202cm、120kg/5)
⑤ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/流経大柏/22歳/201cm、117kg/14)
⑥ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ/IPU環太平洋大学/24歳/192cm、107kg/2)
⑦下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/早大/25歳/188cm、105kg/6)
⑧ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/27歳/187cm、112kg/8)
⑨藤原 忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/25歳/171cm、76kg/2)
⑩李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/大阪朝高/23歳/176cm、86kg/14)
⑪マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ/スコッツカレッジ/28歳/182cm、91kg/-)
⑫ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ/帝京大/28歳/188cm、93kg/-)
⑬ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/豪・ボンド大/27歳/187cm、102kg/20)
⑭ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/摂南大/30歳/177cm、95kg/11)
⑮矢崎由高(早大2年/桐蔭学園/20歳/180cm、85kg/3)

⑯原田 衛(東芝ブレイブルーパス東京/慶大/25歳/175cm、101kg/3)
⑰茂原隆由(静岡ブルーレヴズ/中大/24歳/187cm、116kg/3)
⑱竹内柊平(浦安D-Rocks/九州共立大/26歳/183cm、115kg/6)
⑲桑野詠真(静岡ブルーレヴズ/早大/29歳/193cm、112kg/1)
⑳アイザイア・マプスア(トヨタヴェルブリッツ/慶大/23歳/191cm、112kg/-)
㉑小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ/大東大/29歳/171cm、74kg/2)
㉒☆立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/34歳/180cm、94kg/56)
㉓長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/早大/24歳/179cm、90kg/10)

※カッコ内は所属、出身校、年齢、身長・体重、キャップ数の順
※☆はPNC日本代表キャプテン。◎はゲームキャプテン

ALL ARTICLES
記事一覧はこちら