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【Just TALK】「家でも代表合宿と同じように早朝練習。それから子どもと遊びました」 藤原忍[日本代表/クボタスピアーズ船橋・東京ベイ]
FWのコントロールも長所のひとつ。(撮影/松本かおり)
2024.08.19
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【Just TALK】「家でも代表合宿と同じように早朝練習。それから子どもと遊びました」 藤原忍[日本代表/クボタスピアーズ船橋・東京ベイ]

向 風見也

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 ラグビー日本代表の藤原忍はいま、勝負の季節を過ごしている。

 身長171センチ、体重76キロの25歳。初夏のサマーキャンペーンで代表に初選出され、6月22日のイングランド代表戦でテストマッチデビューを果たした。その後は一時、故障に泣くも、7月21日のイタリア代表戦にも出場。持ち前の攻撃的な姿勢で魅了した。

 今後は8月23日開幕のパシフィックネーションズカップへ。同25日(日本時間26日)のカナダ戦への出場を狙う。藤原が務めるSHの位置では、ワールドカップ経験者の齋藤直人が今大会では選外となった。新しく加入したフランス、トゥールーズでの活動に専念するためだ。
 ライバル不在時に存在感を示したい。

 藤原が取材に応じたのは8月11日。10日から参加の宮崎合宿時、公開練習があった直後のことだ。

 この午後はポジション別の練習があった。藤原は本来のBKの組ではなく、FWのそれに混ざった。実戦練習で球をさばいたり、FLの山本凱とタックルセッションをしていた。

——コンタクト練習をFWの選手と。小柄なSHの選手にとっては試練ですね。

「はい、やばいです! でも、自分が強くなれるので、ありがたいです」

イタリアとのテストマッチでは大きくゲインしたシーンもあった。(撮影/松本かおり)

——チームは合宿序盤、この手のユニット練習を主体とする見込み。3名いるSHは、1名ずつ交代しながらFWのユニットへ混ざるのでしょう。ちなみにFWの実戦練習では、突進役とサポート役の姿勢の低さ、出足の鋭さをチェックしていたような。

「やることは変わらなくて。しっかり自分たちの仕事をやる。しんどい時もやる。その、一貫性を練習で(養っている)」

——藤原選手自身は、このキャンプでどんなテーマを掲げていますか。

「前回の課題は、落ち着いて判断することと、一貫性を持ってプレーをできるようにすること。(エディー・ジョーンズ ヘッドコーチに)そう言われたので、それを意識しながらやっています」

——「一貫性」。よく用いられる言葉です。

「試合終盤のしんどいなかでも、最初(開始早々)にできていたことをする。どんどん精度を下げるんじゃなく、最初の精度を80分間、続けていく。そのためには練習から(意識)。目に見えないところですけど、そこを高めていきたいです」

——今回は齋藤選手が不在です。

「一緒にやれるのは楽しかった。(6月から約2か月間の活動期間中)オフには結構、一緒にいてコミュニケーションを取って、グラウンドではやり(競い)合えていた。いなくなるのは寂しいというか…。ただ、直人さんがいないからといって、自分のやるべきことは変わらないです」

——サマーキャンペーンの5試合中3試合で先発した齋藤選手が抜けたいま、多くのプレータイムを得たいところですね。

「チャンスを与えられたら、そこは、やりたいと思います」

——それはそうと、7月下旬からの束の間のオフはリフレッシュできましたか。2人のお子さんを育てる父親でもありますが。

「こっち(早朝練習の多い日本代表)に帰ってきた時のために、朝が早いのに慣れておきたかった。だから向こう(自宅近く)でも朝のトレーニングは変わらずにやっていました。(代表陣営から)GPSも渡されていたので、しっかりランニングもしました。6時半から(所属するクボタスピアーズ船橋・東京ベイの施設で)動いて、その後に子どもと遊ぶ…というのが、1日の流れでした」

 グラウンドからホテルへ戻る折には、リュックの脇のポケットに入った小型スピーカーからBGMを流していた。手にしたスマートフォンから音楽を無線で飛ばしていたものと見られる。曲は優里の『ビリミリオン』だった。

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