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8月23日開幕のパシフィック・ネーションズカップへ、25日のカナダ戦(バンクーバー/日本時間26日)から参戦するラグビー日本代表が宮崎で合宿中だ(8月10日〜)。
同月7日に発表された36名のメンバーには3名の大学生がいる。今回の代表活動期間は各クラブの夏合宿や公式戦の時期と重なるが、エディー・ジョーンズヘッドコーチの要請と永友洋司チームディレクターの調整で招集が実現した。
選手層拡大や若手育成の一環で呼ばれた学生選手にあって、早大2年の矢崎由高は7月下旬までのサマーキャンペーンにも参加。6月上旬の帯同当初こそ練習生だったが、テストマッチ3試合を含む計5試合にフルバックで先発した。随所に鋭いラン、パス、キックを繰り出した。
8月11日の公開練習後、グラウンドから引き上げる折に心境を語った。
——キャンプ参加の経緯は。
「経緯…。それは、招集していただいて、大田尾(竜彦=早大監督)さんとも相談して、来た。そのぐらいです。
もちろん所属は早稲田であって、日本代表でもある。(結果的に)日本代表を『取った』ということにはなると思うんですけど…。これからもそうですが、(今後については)その時々に決めていく」
——どちらかを選んだ、という感覚ではない。
「それはもちろんです。チームとしても個人としても自分が成長できる場所に身を置きたい。それが早稲田の時もあると思います」
——いま、日本代表で成長したい点は。
「コミュニケーションレベルは上がっていると思うので、引き続きそれを伸ばしていく。
フルバックなので、両ウイングとの(連携)。アタックのときに周りと『自分がどこに入って…』というコミュニケーションレベルは、日々、向上しているかなと。
それから、日本代表も戦術は大きくは変わらないと思うんですけど、自分のオプションは増えてくると思うので、それに順応できるようにしていきたいかなと」
サマーキャンペーンの戦績は1勝4敗。ベテラン選手の証言によると、黒星が先行する状況にあって、矢崎がチームへもっと危機感を抱いてもよいのではといった趣旨で提言したと伝えられる。
当の本人は「ベテランの選手が言っているのなら、そうなのかなと…」と苦笑しながら、「チームがプラスになることを、言っていけたら」と言葉を選んだ。日本代表に当事者意識を持って関わる。