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立川理道が主将。パシフィックネーションズカップで日本代表を牽引
取り組む姿勢で周囲に影響を与える立川理道。宮崎で実施中の合宿より。(撮影/松本かおり)
2024.08.15
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立川理道が主将。パシフィックネーションズカップで日本代表を牽引

田村一博

 若いチームの先頭に立つのは日本代表キャップ56の34歳。パシフィックネーションズカップ(以下、PNC)に挑む日本代表の主将に立川理道が就いた。
 8月14日におこなわれた記者会見で発表された。

 テストマッチ3試合を含む6月、7月のテストマッチ3戦でキャプテンを務めたリーチ マイケルは、休養のため(コンディション整備のため)PNCのスコッドからは外れている。

 エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、ベテランを主将に指名した理由を、若い選手たちのロールモデル、お手本になると話した。全身全霊をかけてプレーする姿が周囲を引っ張ると期待する。

 また、クボタスピアーズ船橋・東京ベイでチームとともにリーグワンの頂点に立った経験もある。ウィニングキャプテンとして、チームに与える影響力も大きい。
「周囲の選手と接する時の態度やリスペクトする心を持っていること、互いに厳しく要求し合うこともできる」とした。

 ひとつのエピソードも紹介した。
 シーズン後半に手を怪我した立川が、戻ってきたときにはフィジカル面を向上させていたという。
「日本代表になりたい熱意、意欲、エネルギーに感銘を受けました」

 起用法については、「10番、12番では10番より12番とは思うが、10番でプレーしないとは限らない」とし、若い選手が多く、パフォーマンスが安定しない可能性がある中で、立川の落ち着きや判断がチームを助けるとした。

練習のサポートに協力してくれた佐土原高校ラグビーの部員たちに笑顔で話しかける。(撮影/松本かおり)

 立川自身は、「PNCに向けて、出た課題をクリアにしながら成長していくいい機会。結果を残せば(チームにとって)いい自信になる。すごく楽しみだし、いい経験にしていきたい」と話した。

「プレッシャーも責任も感じていますが、いまいるメンバーは将来性がある。所属チームでキャプテンを務めている選手も、自分よりワールドカップに出ている選手もいます。そういう選手たちと、チームを作り上げていく楽しみもある。この役割を与えてもらったことが光栄だし楽しみ。自分自身の成長にも凄くいいチャンス」と続けた。

 ひとりで牽引するというより、「リーダー陣を巻き込んで、チームがやろうとしていることを実行していく」スタイルと言う。
 6月、7月のチームの戦いを振り返れば、ハンドリングエラーやセットプレーの不安定さが目立った。その課題を修正し、「自分たちがやっていることを信じていくことが大事」と信念を持つ。

 チームには若手もいれば、海外出身者も含め、いろんな道を歩んできた選手たちがいる。その背景を理解し、「隔たりをなくしていきたい」。
 全員で前へ進んでいく集団を作りたい。

 南アフリカを撃破した2015年W杯、ベスト8に入った2019年大会と日本ラグビーは階段を昇っていたが、2023年大会ではプールステージで敗退。
 現体制でも、テストマッチでなかなか勝てない状況が続いている。

 勝利がチームの進化の速度を早めると知っている。
「もう一度勢いを取り戻すためにも、(2027年大会を見るより)この1年を大事にしたい」と目の前のことに集中するつもりだ。

 PNCでの日本(プールB)の初戦は8月25日。バンクーバーでカナダと戦う。9月7日には熊谷でアメリカ戦。その後、ファイナルシリーズが開催される。
 プールAではフィジー、サモア、トンガが戦う。

【ファイナルシリーズ】
◆9月14日(東京・秩父宮ラグビー場)
A3位×B3位
A1位×B2位

◆9月15日(東京・秩父宮ラグビー場)
A2位×B1位

◆9月21日(大阪・花園ラグビー場)
3位決定戦
決勝

 ジョーンズHCは、この大会について、「昨年のワールドカップで活躍したフィジー(準々決勝進出)、タフに戦ったサモア、手強いトンガがいて、(同じプールの)カナダ、アメリカも、対戦するのにいい相手。カナダとはアウェーで戦うこともあり、いいチャレンジになる」と話した。



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