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【Just TALK】「最大限にベストを尽くし、すべてを出し尽くす」。丸尾崇真[男子セブンズ日本代表]
自分の生きたいように生きる。その気持ちが人より強い。(撮影/松本かおり)
2024.06.18
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【Just TALK】「最大限にベストを尽くし、すべてを出し尽くす」。丸尾崇真[男子セブンズ日本代表]

向 風見也


 2024年7月にオリンピック、パリ大会へ出場する男子7人制日本代表の候補選手は現在、各地で事前キャンプや遠征に挑んでいる。そのひとりの丸尾崇真が、千葉合宿中の6月13日に報道陣に対応した。

 2020年度の早大ラグビー部主将でもある丸尾は、異色のキャリアを経て大舞台を目指している。

——オリンピックまで残り約40日。個人、チームの成熟度はいかがですか。

「自分はいつも通りかなと。あと約40日、いままで積み上げたものをさらに精度高くやっていこうと思っています。チームとしては、やりたいことは明確になっている。それを洗練させられるか…。登っていくしかない」

——メダルを目指す戦いへ。

「最近、個人として思うのは…。いかに自分たちがベストを尽くすか、個人がベストを尽くすか。チーム全員がベストを尽くした時に、結果は最大化される。メダルという目標は抽象的というか、ぼやっとしたものだと思うので、僕個人として目標を掲げる時は『自分が最大限にベストを尽くし、すべて出し尽くす』。そのことで結果が最大化され、メダル(が獲れる)」

——丸尾選手は早大卒業後、渡英。オックスフォード大進学を目指す過程で、7人制日本代表でプレーすることになりました。ここまでどんな時間を過ごしてきましたか。

「(早大)卒業から考えたら、濃い3年間だったと思います。本当にいろんな経験をさせてもらったし、自分が都度、都度、決断をしてきて、それをいい選択にできたと思えるので、本当によかった。今後も楽しみです」

——この道を歩んで発見したことはありますか。

「何かひとつという風には限定しないですけど、本当にいろんなことを経験したし、得たものはたくさんあるし、広がった世界もあるし、この先に見える何かもある。オックスフォードとオリンピックを追っていく3年間で、当初の計画していたものとはまた違ったことも見えています。まだまだ不確定な要素はありますが。まずはひとつめの目標、オリンピックに向けてやりたいです」

——丸尾選手のチャレンジを、早大時代の仲間はどう見ていますか。

「(代表候補には)同期の古賀(由教)もいますので2人で出られたらいいですし、それを同期は祝福してくれると思います」

——モチベーションは。

「純粋に自分が目標を持って生きているというだけなので、別に何も特別なことはないし、何か特別なバックグラウンドがあるとか、ハングリーな何かがあるというストーリー性もないです。ただ僕は『目標があって、それを達成したい』『やりたいことをやりたい』というものが、人よりは強いのかなと。僕はただその時にベストな選択をしているだけで、それが外から見るとチャレンジングだとか、リスキーだと映る。それは分かるんですけど、僕からすると、保守的な選択を取る方が僕の人生にとってリスクです。日々、僕が何のために生きているかは分かっているので、そこに向かって生きることには、生きがいを感じます」

——オックスフォード大合格に向けた試験勉強もされているのですか。

「いまは純粋な英語の勉強というより、ネイティブ向けの共通テスト(の対策)を。英語で数学を解く。あとは英語で国語(英語)を解く。外国の人が、日本語で日本の国語のテストを受けるみたいな感じです。他にも論文を読んでいます」

——オリンピック後のキャリアは。

「いくつか選択肢あって、まだ確定しきってはいない。だから明言は避けたいです」

——7人制ラグビーの競技継続も。

「それも全然、(可能性は)あります。もともとパリで辞めると決めていましたが、それもどうしようかと思っています」

——オリンピアンになることは、進学するうえでもメリットがあるそうですね。

「あります」

——丸尾選手にとって、オリンピックの位置づけは。

「オリンピックを目指すことになったのは、自分のなかでアスリートとしての極みを目指したいと思ったからでした。オリンピックに出ることは(本質的な目標と)ニアリーイコール…と、当初は思っていましたけど、いまはまたいろいろと変わって。オリンピックに出ることがすべてではなく、自分のなかでの『アスリートとしての極みを目指すとは何か』の考えが成熟されてきたと思っている。その意味では、オリンピックに出ることは、目標を達成するための手段と考えています」

 自分の気持ちに正直に生きている。


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