【JAPAN XV】対マオリ第2戦は、先発13人が初戦と同じ。立川理道起用は「若い選手のロールモデルに」

　ぶれない。
　7月4日、マオリ・オールブラックスとの第2戦に臨むJAPAN XVのメンバーが発表された。初戦と大きく変わらぬ顔ぶれについてエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ（以下、HC）は、その理由を「JAPAN XVに関しては、日本ラグビーの才能を育成する場。勝ちたい。しかし、その目的も大事」と明確に説明した。

　若手のプレーヤーにチャンスを与える。
　そしてチームには、国際レベルでのキャリアをスタートさせたばかりの者もいる。リーグワンでの出場機会が少なかった選手も。
　指揮官は、この試合で共同主将を務めるHO原田衛、SH齋藤直人の2人についても、「原田はインターナショナルのレベルでプレーし始めたところ。齋藤はサントリーでのプレータイムが少なかった。（他の同じような境遇にある）それぞれの選手についても、ゲームタイムを増やしていっています」とした。

　マオリ・オールブラックスとの初戦の先発メンバーから変更があったのは、9番と14番の2人だけ。前戦の23人中19人が今回も出場予定登録メンバーにいる。
　ジョーンズHCは、「いい形で準備をすすめてきました。若いプレーヤーの成長もめざましい。若いプレーヤーがインターナショナルレベルで試合をする経験を積めています。マオリは次の試合も情熱的なプレーをするでしょう。観客が沸くようなプレーをスタートからしたいですね。どんどんアタックを仕掛けていく。（試合を重ねるごとに）自分たちの時間帯が伸びています。楽しみ」と選手たちに期待を寄せた。

　56キャップを持つ立川理道をもともとのスコッドの枠外から招集し、この試合のベンチに入れたことについては、「若手のロールモデルとしてプレーしてほしいという思惑がある」という。頭の中にあるのは、10番、あるいは12番での起用だ。
「プロ意識が高い選手。真剣にラグビーに取り組む姿勢、優勝経験と、（若手選手は）高い経験値から学ぶことがある」

　齋藤も、「（立川さんは）練習に入る前から、いろんな選手とコミュニケーションをとってくれる。ハドルの中でも、リーダーたちが話したことについて抜けているところを話したり、要点をクリアにしてくれています」と効果を口にした。

　ジャパンXVは、自分たちにとって何がうまくいって、何がうまくいかないのか、試行とエクスペリメント（実験）をおこなう場ともとらえている。
　前戦はセットプレーでのドミネートから攻略するプランだった。しかしスクラムで圧力をかけることができたけれど、モールは思うようにいかなかった。
　その結果を受けて今回の試合では、アタックの連係とゴール前のディフェンスに焦点をあてて準備を重ねたという。

　現在、JAPAN XVと日本代表は同じキャンプにいながらも、トレーニング内容とスケジュールはそれぞれ別に組まれている。
　しかしジョーンズHCは、「自分たちの強みを活かして超速ラグビーをする。相手よりはやく、集団的にスピードにのって動くことは共通」と話し、2つのチームの活動によって選手層を厚くしていく考えも示した。

◆マオリ・オールブラックス戦（第2戦） JAPAN XV試合登録メンバー
①三浦昌悟（トヨタヴェルブリッツ/東海大/180cm、115kg/10）
②（CC）原田 衛（東芝ブレイブルーパス東京/慶大/175cm、101kg/1）
③為房慶次朗（クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/明大/180cm、108kg/1）
④桑野詠真（静岡ブルーレヴズ/早大/193cm、112kg/-）
⑤小瀧尚弘（コベルコ神戸スティーラーズ/帝京大/194cm、110kg/11）
⑥下川甲嗣（東京サントリーサンゴリアス/早大/188cm、105kg/5）
⑦山本 凱（東京サントリーサンゴリアス/慶大/177cm、100kg/1）
⑧サウマキ アマナキ（コベルコ神戸スティーラーズ/トゥポウカレッジ/189cm、107kg/4）
⑨（CC）齋藤直人（前・東京サントリーサンゴリアス/早大/165cm、73kg/20）
⑩山沢拓也（埼玉パナソニックワイルドナイツ/筑波大/176cm、84kg/7）
⑪根塚洸雅（クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/法大/173cm、82kg/2）
⑫サミソニ・トゥア（浦安D-Rocks/摂南大/182cm、108kg/1）
⑬長田智希（埼玉パナソニックワイルドナイツ/早大/179cm、90kg/8）
⑭高橋汰地（トヨタヴェルブリッツ/明大/180cm、91kg/1）
⑮矢崎由高（早大2年/桐蔭学園/180cm、85kg/1）

⑯佐藤健次（早大4年/桐蔭学園/177cm、108kg/-）
⑰岡部崇人（横浜キヤノンイーグルス/関西学院大/180cm、105kg/-）
⑱竹内柊平（浦安D-Rocks/九州共立大/183cm、115kg/4）
⑲サナイラ・ワクァ（花園近鉄ライナーズ/NZ・ヘイスティングスボーイズ高校/202cm、120kg/3）
⑳ティエナン・コストリー（コベルコ神戸スティーラーズ/IPU環太平洋大学/192cm、102kg/1）
㉑小山大輝（埼玉パナソニックワイルドナイツ/大東大/171cm、74kg/-）
㉒立川理道（クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/180cm、94kg/56）
㉓ニコラス・マクカラン（トヨタヴェルブリッツ/帝京大/188cm、93kg/-）

※カッコ内は所属、出身校、身長・体重、キャップ数の順。CC=共同キャプテン