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こてこての関西のおっさんの、独特のしゃべりの時間になった。しかし、噂話のような中に真実があるからおもしろい。
スポーツライターの藤島大さんがパーソナリティを務めるラグビー情報番組「藤島大の楕円球にみる夢」が、3月3日(月)、夜6時からラジオNIKKEI第1で放送される。
今回のゲストはスポーツライターの鎮勝也さんだ。独特の味付けをした関西ラグビーの話題を発信し続けている。
高校、大学、リーグワンと、真正面、そして斜めから取材したことを書く記事を待つファンは少なくない。
番組の序盤は、2人の執筆論がおもしろい。
寝かせる。映画を見に行く。1行ずつ積み上げる。こだわりが伝わってくる。スポーツ新聞の記者だったことは両者の共通点だ。
鎮さんは大阪府吹田市出身。父の影響で6歳から大阪ラグビースクールでプレーした。大阪府立摂津高から立命館大へ。卒業後は、大阪のデイリースポーツ、スポーツニッポン新聞社で主に野球とラグビーを取材した。
ニュージーランド生活の経験もある。
現在はスポーツライターとして、専門誌「ラグビーマガジン」と関連サイトのラグビーリパブリック、「ラグリパ West」などで情報を発信している。全国高専大会を取材し続けているのも渋い。
著書に「花園が燃えた日」(論創社)、「君は山口高志を見たか 伝説の剛速球投手」(講談社)、 「ラグビーが好きやねん」(ベースボール・マガジン社)などがある。
関西の大学ラグビーに造詣が深い。新しく同志社大学の指揮を執ることになった永山宜泉監督について語る。
同監督は同志社香里中・高の出身で同志社大ラグビー部OB。かつての強豪、ワールドでのプレー経験を持つ。
2022年から2024年まで摂南大ラグビー部のFWコーチを務めて強化に力を注ぎ、指導力を発揮した人だ。2024年度シーズンの同志社大×摂南大は39-38の僅差で前者が競り勝っている。
2023年度は34-32で摂南大が勝ち、その前年は25-12で同志社大が上回った。近年の両チームの力は接近していた。
そんな状況の中での人事について鎮さんは、摂南大の懐の深さを感じると話し、関西大学リーグ自体のレベルアップが楽しみとする。みんなで強くなっていこうとするのは、同リーグのいいところと感じている。
藤島さんの経験談も含めた母校への感覚は心に染み入る。
京産大のスクラム強化に長く情熱を傾けている田倉政憲コーチについての2人のトークも興味深い。
コーチングとは、一人ひとりの人間と向き合うことだ。
鎮さんの書く文章に頻出する「社長になれる資格を有する」の表現(特に花園近鉄ライナーズの原稿に登場)は、一部読者に人気のフレーズ。そこには、それぞれのクラブを支える会社の中で、ラグビーをリスペクトする機運が高まってほしいとの思いが詰まっている。
決して幅広い取材領域ではないが、狭い範囲を深く追求していくと、結局はいろんなことが分かってくると教えてくれる放送回。
おっさんの視点やしゃべりは、いろんなものが入っているおもちゃ箱のようだ。
▽ラジオ番組について
ラジオNIKKEI第1で3月3日夜6時から全国へ放送。radiko(ラジコ)のサービスを利用して、PCやスマートフォンなどで全国無料にて放送を聴ける。音楽が聴けるのは、オンエアのみの企画。
放送後も、ラジコのタイムフリー機能やポッドキャストで番組が聴取できる。U-NEXTでも配信予定。3月10日の同時刻には再放送がある。