![【Just TALK】「尻がぺらぺら、と言われました」。本山佳龍[長崎南山高校3年→春から静岡ブルーレヴズ]](https://www.justrugby.jp/cms/wp-content/uploads/2025/02/IMG_0126-1.jpg)
身長188センチ、体重115キロの身体に可能性をにじませる。
長崎南山高校ラグビー部3年の本山佳龍(もとやま・けいたつ)は、今春よりリーグワン1部の静岡ブルーレヴズに加わる。
日本の大学を経ずに国内のトップカテゴリーに挑む高卒選手は稀。流経大柏高から2021年に現東芝ブレイブルーパス東京入りしたワーナー・ディアンズら数名にとどまる。
しかも今回の本山は、クラブの提案で静岡産業大のスポーツ科学部へも入る。教員免許の取得を目指す。
異例のチャレンジに意気込む。
「前例がないことです。自分が成功例になって、下の代にもこういう道があるということを示していきたいです」
破格のサイズを誇る右プロップは、1月26日、思いを語っている。
——高校2年時の秋、ブルーレヴズ入りを心に決めたようですね。
「(クラブのトレーニングに)呼ばれるまでは(大学を含めた数ある選択肢のうち)どこに行くか、ずっと迷っていました。ただ(ブルーレヴズの)練習に参加したら『あぁ、レベルの高いこの環境でやっていきたい』と思って決定しました」
——「練習」について。
「おもに、田村義和アシスタントコーチに教えてもらいました。大事な部分は身体と足腰の強さだとあらためて知れました。合流前までの期間でそこを強化して、いいスタートを切りたいです」
——田村さんは、かつて日本屈指のスクラメイジャーでした。
「…そうだ。田村さんから、『尻がぺらぺら』と言われました。これから足腰、背中の筋肉も鍛えていきたいです」
——その場で印象的だったこと、刺激的だったことは。
「スクラムの、坂です」
——斜面を使って組み込むわけですね。
「また設備も、リーグワンのディビジョン1のチームは、違うなと感じました」
——長崎南山高校の久保田一平監督は、元ブルーレヴズの伊東力氏を弟に持ちます。
「高校2年の春くらいから、合宿には伊東力さんなどレヴズの方が来てくれていました。高校の監督には感謝したいです」
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——新天地では競技と大学生活を両立させます。
「最初は大変だと思うけど、徐々に慣れていきたいです。(社員)選手の方が会社に行っている間に、自分は学校に行く形です。(自動車の)免許を取らないと」
話をした場所は、神奈川にある関東学院大学敷地内のトレーニングルーム。ちょうど目の前にあるグラウンドで、高校日本代表候補のセレクションマッチに出場していた。
有望株とあり、様々なカテゴリーのチームに飛び級の形で選出されている。その立場についても聞かれた。
——試合形式セッションの感想は。
「(自身のプレーに)悔しい部分、自分の強みを出せなかった部分が…。ただ、こういうレベルの高いチームでやれたことは自分のいい経験にもなりますし、やっていて楽しいです」
——スクラムについては。
「レベルが高いところでスクラムを組むと、自分の改善する部分がたくさん出る。初めての1、2、3番だった(今回のフロントローとは初めて組んだ)ので、バインドなどの細かな部分でのミスがあり、コミュニケーションもまだ少なかった。『短期間でどれだけやれるか』を見ていきたいです」
——昨年(2024年)12月には、19歳以下(U19)日本代表として台湾に遠征しました。
「ハイスピードというところ(方針)はU19も高校も変わらないと思うので、それを経験したことは(好材料)」
——有望な大学生が集まって鍛えるジャパンタレントスコッド(JTS)にも、高校生ながら名を連ねています。JTSは4月に海外遠征を控えています。
「呼ばれたからには自分の強みを出して、エディー監督(・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ)にもいいアピールができたらなと思います」
——あらためて、いまのご自身の強みと課題は。
「自分の強みはスクラムとキャリーですけど、ここからはレベルが高くなるにつれてフィジカルの差などが出てくると思います。(高校日本代表になったら出向く)イングランドでもです。当たり方、低さを意識したいです」
2月1日、今年度の高校日本代表に選出された。
各種代表関連活動との兼ね合いから、いつ長崎から静岡へ引っ越すかは「まだ正確には決まっていない」。多忙な年度末を過ごす。