ほぼ1ヶ月前のことになってしまった。
第104回全国高校大会(花園)は、12月27日、28日、30日、1月1日の4日間を撮影した。
「Just RUGBY」でも花園の記事を連日掲載していたが、それとは別のものを、1日1枚紹介したい。
12月27日・1回戦
京都工学院ー聖光学院(福島)
伏見工業時代も含めて、9大会ぶりの出場となった京都工学院。現校名では初、注目の一戦だった。
今大会初登場したのは第3グラウンド。写真は試合前の整列。
以前と変わらぬ真っ赤なジャージで、走って入場する姿がかっこよかった。
12月28日・1回戦
高知中央ー若狭東(福井)
撮影の途中で、高知中央の1番(PR竹内桜太)の手首に巻かれたテープが目に入った。
リーグワンやジャパンの試合で、サインプレーと思われる小さな文字や、家族の名前などを目にすることはあるけど。いいなぁ。
12月30日・2回戦
高鍋(宮崎)ー大分東明
26-26で引き分けの試合。
取材へ行く先々で「今年かなりいい」と聞いていた大分東明。高鍋は食らいついた。
第1グラウンドは大歓声。
でもこのままでは抽選になってしまうから、それだけはどうにか避けて…と、誰もが思っていたと思う。
同点で終わった、その時の高鍋の選手たち。
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1月1日・3回戦
大阪桐蔭ー倉敷(岡山)
倉敷、初の正月越え。
しかし立ちはだかる壁は高く、前半終了の時点で45-0。
前半は大阪桐蔭が攻めてくる側にいたので、立て続けにトライをとられ、その度インゴールに集まる倉敷の選手たちをそばで見ていた。肩で息をする姿、鼻血の出ている選手もいて、正直、心の中で「つらい」と思ってしまった。
私は試合を通して倉敷のキャプテン、SH若狭正和を追っていた。(このページ一番上の写真が若狭)
どんなにとられても、ハドルの中でも試合中も、明るい表情をするよう努めているように見えた。
ハーフタイムが終わり後半。キックオフ時、倉敷の選手たちの言葉にならないような叫びが聞こえた。
それからの試合中、何度も聞こえた。ディフェンスも粘る。明らかに前半と変わった。一人ひとりの表情が違う。
交代で入ったNO8丸尾涼が、スクラムを組む前、若狭の方を見て笑う。その時の写真。
前半まではひとり気を吐いているように見えたキャプテンの頬が、少し上がったように見えた。
最終結果は69-0。1点もとれなかったけど悲壮感はなかった。
撮影・文◎松本かおり
フリーランスのフォトグラファー。都立駒場高校→専修大学文学部卒。中・高はバスケ部。大学1年時、所属のサークル「専大スポーツ」でラグビーと出会う。大学4年時の2010年、『ラグビーマガジン』にアルバイトで入り、約14年間専属のような形で撮影、編集に携わる。現在は『Just RUGBY』を中心に撮影。使用機材はCanon。