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立川理道主将「10番」でサモアに勝つ。日本代表、必ずアツくなる80分へ、速く、激しく、賢く
先発出場のSO立川理道主将。チームに落ち着きを与える。(撮影/松本かおり)
2024.09.13
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立川理道主将「10番」でサモアに勝つ。日本代表、必ずアツくなる80分へ、速く、激しく、賢く

ジャスラグ編集部

 勢いにのれば簡単には止められない相手だ。
 そんなサモア代表と戦う日本代表の10番のジャージーを立川理道が着る。

 9月15日(日)、パシフィックネーションズカップの準決勝、第2試合が15時5分にキックオフとなる。プールステージでプールBの1位となった日本は、プールAで2位となったサモアに勝てば決勝に進出する。

 エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、立川の起用理由をコンディションが上がったからとするも、苦しい時間帯にこの人が司令塔の位置にいるとチームが落ち着くと知っている。

「今週末の試合に関して、サモアがたたみかけてくる時間帯が必ずある。ラック周りのプレーでモメンタムをつけてくるはずだ。そういうアドバンテージをとられたときに大事なことは、全員で同じ考えを持ち、同じページを見てプレーすること」
 そんなときに立川主将が真価を発揮してくれる。

 前戦のアメリカ戦でも、終盤に7点差に迫られたことがあった。
 そのとき、試合途中からピッチに入っていた立川はチームを束ね、シンプルな指示を出して、もう一度相手にプレッシャーをかけ返す流れを作った。
 ジョーンズHCは立川主将について「勇気ある判断ができる」とした。そしてチームは、厳しい状況を経験し、乗り越えていかないと成長できないと話した。

LOで先発のエピネリ・ウルイヴァイティ。「タフなプレーができるから周囲に慕われる」とジョーンズHC。(撮影/松本かおり)

 立川主将はこの試合で58キャップ目。テストマッチで先発するのは2018年のジョージア戦以来のことだ。
 10番のジャージーを着てのテストマッチとなると、2015年W杯の第2戦、スコットランドとの試合以後は一度もない。

 立川本人は、「いつでも出られる準備はしています。背番号に関係なく、そのときやるべきことをやるだけ」と話す。
 S&Cコーチとトレーニングに取り組み、日本代表がやりたい超速ラグビーにフィットするためのコンディションを整え、理解を深めて準備を整えた。

 10番の役割を「バスならドライバー。チームを進むべき方向に進ませる」と言う指揮官の要望に応える。
「チームに勢いがあるときはそれを活かして攻めます。そして、スペースがうしろにあるのか、外にあるのか見ながら、キックも含め、そこにボールを運びたいと思います」

 HO坂手淳史、WTBジョネ・ナイカブラが怪我で戦列を離れ、LOサナイラ・ワクァも家族の事情で欠場するため、先発ポジションやベンチスタートのメンバーに変更があった。
 HOの先発は原田衛。16番のジャージーを着る松岡賢太は出場が叶えば初キャップを得る。
 4番のジャージーを着るエピネリ・ウルイヴァイティも初めてのテストマッチ。ジョーンズHCは、ラック周辺で圧力をかけてくるサモアのFWを後退させるプレーを期待する。FLのファカタヴァ アマトにも同様のパフォーマンスが期待できる。
 FBには、アメリカ戦でキックも含めた好判断と仕掛けのバランスが良かった李承信が起用された。

 猛暑の80分となることが期待される日曜午後の試合がハードな内容になることは間違いない。赤白のジャージーは、積み上げてきたフィジカリティーとスピードを前面に出しつつ、ベテランの振るタクトで賢く戦う。

アメリカ戦ではウォーターを務めた梶村祐介(右)が22番のジャージーを着る。(撮影/松本かおり)

【パシフィックネーションズカップ2024/日本代表 サモア戦試合登録メンバー】
①三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/東海大/29歳/180cm、115kg/12)
②原田 衛(東芝ブレイブルーパス東京/慶大/25歳/175cm、101kg/5)
③竹内柊平(浦安D-Rocks/九州共立大/26歳/183cm、115kg/8)
④エピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ/FIJI・ラトゥ カダヴレヴスクール/28歳/196cm、122kg/-)
⑤ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/流経大柏/22歳/201cm、117kg/16)
⑥ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京/大東大/29歳/195cm、118kg/8)
⑦下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/早大/25歳/188cm、105kg/8)
⑧ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/27歳/187cm、112kg/10)
⑨藤原 忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/25歳/171cm、76kg/4)
⑩◎立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/34歳/180cm、94kg/58)
⑪マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ/スコッツカレッジ/28歳/182cm、91kg/2)
⑫ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ/帝京大/28歳/188cm、93kg/2)
⑬ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/豪・ボンド大/27歳/187cm、102kg/22)
⑭長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/早大/24歳/179cm、90kg/12)
⑮李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/大阪朝高/23歳/176cm、86kg/16)

⑯松岡賢太(コベルコ神戸スティーラーズ/明大/27歳/175cm、100kg/-)
⑰岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス/関西学院大/29歳/180cm、105kg/2)
⑱為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/明大/22歳/180cm、108kg/5)
⑲アイザイア・マプスア(トヨタヴェルブリッツ/慶大/23歳/191cm、112kg/2)
⑳ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ/IPU環太平洋大/24歳/192cm、102kg/4)
㉑小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ/大東大/29歳/171cm、74kg/4)
㉒梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス/明大/29歳/181cm、95kg/2)
㉓髙橋汰地(トヨタヴェルヴリッツ/明大/28歳/180cm、91kg/1)

※カッコ内は所属、出身校、年齢、身長・体重、キャップ数の順
※◎はキャプテン

メンバー発表の記者会見に出席した立川理道主将(左)とジョーンズHC。(撮影/松本かおり)


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