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55年ぶりの歓喜。イースト、激戦制して豪州NSW州『シュートシールド』王者に
長年の夢を実現し、喜びを爆発させるイーストの選手たち。(撮影/YASU TAKAHASHI)

55年ぶりの歓喜。イースト、激戦制して豪州NSW州『シュートシールド』王者に

YASU TAKAHASHI

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 オーストラリア・NSW州のクラブラグビー選手権「シュートシールド」(Shute Shield)のグランドファイナルが8月31日(土)、ライカート・オーバルで行われた。
 イースタンサバーブス(以下、イースト)×ノーザンサバーブス(以下、ノース)は激闘の末、ファイナルスコアは36-35。55年ぶりの栄冠を手にした。

 1900年創設のイーストは、シドニー有数の高級エリア「ローズ・ベイ」に本拠地を置く名門クラブ。2015年には松島幸太朗(サントリーサンゴリアス)も所属しシュートシールドに出場している。
 今季のレギュラーシーズンは首位と、昨年の10位から大躍進を遂げた。

7月にワラビーズ初キャップを得たイーストWTBダービー・ランカスター。(WTB(撮影/YASU TAKAHASHI)

 一方、昨季のグランドファイナリストであるノースは5位。レギュラーシーズンは中位に終わった。
 しかし、準々決勝でワリンガ、準決勝で昨年の覇者、ランドウィックを倒し、決勝まで戻ってきた。

 グランドファイナルは、前半からスコアボードがよく動く展開になった。
 先制したのはイースト。PGを決め、その後、トライも重ねるスタートを切った。ノースも喰らいついた。しかし、29-13とイーストが突き放す形でハーフタイムを迎えた。

ノースFWに勢いを与えたLOヒュー・シンクレア。(撮影/YASU TAKAHASHI)

 試合は、ここからもつれた。
 リードを許して後半に入ったノースだったが、焦りはなかった。ヒュー・シンクレア(LO/ ワラターズ)等を有する強力FWが力を発揮した。

 7分にモールでトライを奪い返すと(29-18)、15分にはヘンリー・オドネル(CTB/ ウェスタン・フォース)がイーストのディフェンスを引きずってゴール下へ。この日2つ目のトライを決めた(29-25)。
 21分にもトライを追加し、ついに逆転に成功した(29-32)。

高い決定力を見せたノースCTBヘンリー・オドネル。(撮影/YASU TAKAHASHI)

 勢いを増したノースに対し、イーストも奮起して対抗した。
 7月のジョージア戦でワラビーズの初キャップを得たダービー・ランカスター(WTB/ ワラターズ)が、24分にゴールライン左隅に飛び込みトライを奪う。ゴールも決まり、イーストが再びリードした(36-32)。

 ただ、ノースも粘った。30分にPGで点差を詰めると(36-35)、最後の攻勢をかける。試合終了間際にはFWが相手ゴールに迫った。
 赤×黒のジャージーが、片手を伸ばしグラウンディングをしたかに見えた瞬間、イーストのチャーリー・ギャンブル(FL/ ワラターズ)のタックルが決まった。

 ボールキャリア―がライン上でノックオン。イーストは、直後のスクラムから出たボールをタッチへ蹴り出した。1969年以来、通算10度目のシュートシールド王者となった瞬間だった。
 昨年のグランドファイナルではランドウィックに2点差で敗れたノースは、今年は僅か1点差で涙を飲む結果となった。

イーストのFLチャーリー・ギャンブルが大詰めで見せたトライセービングタックル。(撮影/YASU TAKAHASHI)

 今シーズンはイーストの躍進が際立っていた。
 シニアのグレード4チーム、コルツ(20歳以下)3チームのすべてが準決勝まで進出し、そのうち6チームがグランドファイナリストとなった。
 9月1日に実施された1stコルツの決勝では、イーストがゴードンを圧倒。53-14で勝利して頂点に立っている。

 ちなみに、イーストのコルツには2005年、当時慶大2年生だった山田章仁(現・九州電力キューデンヴォルテクス)も所属し、ファイナルシリーズに出場している。
 惜しくも準決勝で敗れたが、シーズン通して1stコルツの中心選手として活躍していた。

勝利の瞬間。ファンも沸いた。(撮影/YASU TAKAHASHI)

【Shute Shield 2024レギュラーシーズン最終順位】
1. イースタンサバーブス(Eastern Suburbs)
2. ワリンガ(Warringah)
3. ランドウィック(Randwick)
4. ゴードン(Gordon)
5. ノーザンサバーブス(Northern Suburbs)
6. マンリー(Manly)
7. シドニーユニバーシティ(Sydney University)
8. トゥーブルース(Two Blues)
9. イーストウッド(Eastwood)

  1. ハンターワイルドファイヤーズ(Hunter Wildfires)
  2. サザンディストリクツ(Southern Districts)
  3. ウェストハーバー(West Harbour)
イーストにとっては充実、最高のシーズンだった。(撮影/YASU TAKAHASHI)

【NSW Premiership Competition 2024 決勝結果】
◆Shute Shield(1st Grade)
Eastern Suburbs 36-35 Northern Suburbs
◆Colin Caird Shield(2nd Grade)
Manly 24-19 Eastern Suburbs
◆Henderson Shield(3rd Grade)
Randwick 29-17 Eastern Suburbs
◆Henderson Cup(4th Grade)
Eastern Suburbs 21-13 Northern Suburbs
◆W.Mcmahon Memorial Shield(1st Colts)
Eastern Suburbs 53-14 Gordon
◆Shell Trophy(2nd Colts)
Sydney University 28-26 Randwick
◆Bill Simpson Shield(3rd Colts)
Eastern Suburbs 36-15 Sydney University
◆Gregor George Cup(Club Championship)
Eastern Suburbs
◆Sydney Women’s Rugby / Jack Scott Cup
Sydney University 45-24 Manly

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