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HSBCワールドラグビー・セブンズシリーズのコアチーム昇格が、最初のターゲットとなるだろう。
パリ五輪で全敗、12位(最下位)という成績に終わった男子セブンズ日本代表の新ヘッドコーチ(以下、HC)が8月26日に発表された。
2022年からチームを率いてきたサイモン・エイモーHCの任期満了にともなっての就任だ。
新しくチームを率いるフィル・グリーニングHCは男女アメリカ代表の躍進を支えてきた人だ。ワールドシリーズやオリンピック3大会などで、同代表を引き上げた。
9月1日に就任する。チームは、9 月7日から韓国大会で始まるアジアラグビーセブンズシリーズ2024に向け、活動を始めている。
グリーニングHCは、1975年10月3日生まれの48歳。イングランド出身で、同代表キャップ27を持っている。
グロスターやセール・シャークス、ロンドン・ワスプスで活躍し、イングランド代表として1999年のワールドカップに出場したほか、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズに選出されたこともある。
現役時代のポジションはHOながら、セブンズ代表の経験もある。機動力があったからだろう。
指導者としては、7人制イングランド代表のアシスタントコーチを務め、15人制&7人制スコットランド代表の強化にも関わり、2013年から先のパリ五輪まで、7人制アメリカ代表のアシスタントコーチ兼ハイパフォーマンスコーディネーターを務めてきた。
イングランド代表、アメリカ代表と、ともにセブンズチームを躍進させたマイク・フライデーHCは、「彼と一緒に働いてきたことは、素晴らしい経験でした。私たちはお互いから常に学び合い、とても良いチームワークを発揮してきました。フィルは非常にクリエイティブで細部にまでこだわり、攻守両面において深い知識を持っている。私のスキルを補完してくれました」と、信頼を寄せてきたことを表すコメントを残している。
フライデー氏を筆頭に、豊富な指導歴の中で、世界的指導者たちと一緒に仕事をしてきた。
そこで得た知見を自身の指導に活かし、コーチングの幅を広げているのもグリーニングHCの強みだ。ラグビーのテクニック、スキルだけでなく、S&Cや栄養の分野にも強い。
本人は就任にあたり、「男子セブンズ日本代表のプログラムを率いることになり、ワクワクしていますし、光栄に思っています。競技力、スキルの開発からパフォーマンスまで、あらゆる分野でプログラムを発展させ、日本の素晴らしい若い選手たちのためのパスウェイを作っていきたいと思います」とコメントを出した。
「私の目標は、所属クラブや大学と関係を築き、選手中心のアプローチで日本の若い才能を育てることで、選手のパスウェイを作り、深めていくことです。日本にはラグビーに対する深い伝統と愛情がある。常に最高の舞台でパフォーマンスを発揮すべきであり、それを成し遂げて貢献していきます」
日本ラグビー協会はグリーニングHC就任を発表した8月26日、同時に梅田紘一男子セブンズ日本代表チームディレクターが現職を継続するとともに、女子代表でもチームディレクターを務めるとした。
梅田氏は9月1日に男女セブンズ日本代表チームディレクターに就任。宮崎善幸女子セブンズ日本代表チームディレクターは任期満了により退任する。
世界を知る指導者が存分に力を発揮できる環境整備、それを実現させるためのリーダーシップが求められる。