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大きな影響力を持つ男が、ふたたび日本ラグビーで躍動する。
ニュージーランド代表81キャップを持つSH、TJ・ペレナラのリコーブラックラムズ東京への加入が決まった。
8月2日、ブラックラムズとニュージーランド(以下、NZ)協会が発表した。
ペレナラは32歳。2014年6月のイングランド戦で初キャップを獲得した。
2022年11月のイングランド戦でアキレス腱を断裂。2度の手術を受けるなど怪我に苦しむも、今年7月6日のイングランド戦で81試合目のテストマッチ出場を果たした。
その復帰戦で膝を負傷するも、8月10日に開幕するザ・ラグビーチャンピオンシップ(以下、TRC)のスコッドには名を連ねている。
NZ協会は2024年末に同国ラグビーを離れること、ブラックラムズと3年契約を結んだことを伝えている。
また同時に、「ブラックジャージを着るすべての機会に感謝しており、できる限りオールブラックスのために競い、貢献し続ける」という本人の意志も報じ、本人がTRCのスコッドに入っていることをエキサイティングと感じている事実、「NZラグビーを代表するモチベーションは、10年以上前のデビュー当時と同じぐらい強い」との本人の感情も付け加えた。
2度のワールドカップを含む多くのテストマッチに出場し、ハリケーンズ(スーパーラグビー)最多の163キャップ、2016年にはスーパーラグビー制覇も経験している男が母国を出る。
その決断に、NZ協会のマーク・ロビンソンCEOは、「TJのニュージーランドでのラグビーへの貢献は計り知れない。クラブラグビーからNPC、スーパーラグビー、そしてオールブラックスまで、どのジャージを着ても全力を尽くしてきた」とコメントを寄せた。
リスペクトと感謝が感じられる。
今季のオールブラックスでのプレーを楽しみにしていること、日本での本人の成功、家族の幸せを願う気持ちも示した。
ハリケーンズのクラーク・レイドロー ヘッドコーチは、「TJについては語り尽くせません。素晴らしいラグビー選手であり、素晴らしい人間であり、ハリケーンズクラブの真の伝説」と最上級の表現で存在感の大きさを表現した。
ハリケーンズのスクールでプレーしていた17歳の頃の姿を覚えているそうだ。
そんな若者がクラブの最多キャッパーになった。優勝に貢献し、トップトライスコアラーでもある。
感慨深い。
「私たちにとって、彼はフィールド内外での準備や競争心の基準を設定してくれた。チームの主要な推進力だった。彼を恋しく思うだろうが、本人と家族の日本での生活が最高のものとなることを願っています」
ブラックラムズを通して本人は、「これからの3シーズン、由緒あるブラックラムズ東京に加入のお知らせができることを心より嬉しく思います」とコメントを出した。
「家族と共にこの新たな旅に乗り出し、リーグワンでこの偉大なクラブに貢献できることを楽しみにしています。 選手としてチームのためにフィールド内外で貢献し、新しいチームメイト、コーチ、スタッフと共に働くことを楽しみにしており、できる限り良い影響を与えたいと思っています。 どの選手も海外に移籍する際は、加入するクラブや出会う人々へ常に良い印象を残したいと望みますが、私もそれを実現できることを願います」
合流時期は決定し次第、ブラックラムズから発信される。